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 本則は1キロリットル 15,000円  当分は1キロリットル 32,100円 

 民主党がマニフェストで掲げた自動車関連税の暫定税率の廃止については、政権奪取後の平成22年度税制改正において、「現行の10年間の暫定税率は廃止するが、当分の間、税率水準を維持する」とされた。結局、ガソリンや軽油代などが値下がりすると喜んだ国民が騙されたわけだ。
 軽油引取税は道路特定財源に充てる目的税だったが、自公政権下の平成21年度税制改正で普通税に改められ一般財源化された。

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 軽油引取税の本則の税率は一定税率で1キロリットルにつき15,000円である。ただし、当分の間、1キロリットルにつき32,100円と目的税時の税率が維持されている。一般財源に充てる普通税になったのだから本則に戻すべきところを、財源確保のために国民は2倍以上の税金を負担させられている。
 この事態はいつ解消されるのだろうか。「当分の間」とは「少しの間」「近い将来」という意味だが、参議院選挙の争点となった消費税の引上げをめぐる動きからも読み取れるように、財源確保が迫られる政府は容易に動けないでいる。
 有体にいえば、財源確保の目処がたつ消費税率15%の引上げまで、32,100円の税率は維持されることになるだろう。それが長期になるのか、文字通り当分の間になるのかは、政治と国民の動きしだいというわけだ。


 免税軽油制度を存続せよ
 使いやすい制度に改正も必要

 軽油は営業上の利用が多く、レジャーに使うガソリン代と違って国民生活に影響が大きい。農業用機械は大半が軽油を使う。船舶、倉庫で使うフォークリフトなどもそうだ。
 これらは道路を使っているわけではないので、道路建設の目的税とは相いれない。そこで、軽油引取税については道路を使用しない機械燃料などについては課税を免除する規定がある。申請をして都道府県の承認を受ければ、「免税軽油使用者証」と「免税証」が交付され軽油引取税なしの軽油が購入できる。ただし、大変事務手数のかかる使いづらいもので、制度の改正が強く求められている。
 この措置は平成24年3月31日までの時限規定である。これまでも何回か延長されてきた経緯があるが、公約違反平気の民主党政権下では何が起きるかわからない。
 目的税が外れて普通税になったのだから、道路使用の有無は関係なくなったので免税は不要と理屈をつけられる。財源確保のためには何でもアリという体質も気にかかる。
 この免税措置を使ってなんとか経営している農家は、この免税措置が打ち切られると経営が成り立たないと危機感を募らせている。農民連は免税制度を存続させようと、この制度を使っている業者団体などにも呼び掛けて存続運動を広げるという。免税が廃止となれば野菜の値段にはねかえり国民生活にも影響が大きい。
 営業利用が多い軽油については本則にすぐ戻すことと同時に、免税制度の維持と使いやすい制度への改正を求める議会や政党要請など、運動を広めたい。