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<問題>
 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に日本が参加した場合、日本はどうなるのでしょうか?

▼ヒント=農林水産省の試算です。

Q1 40%から13%に下がるものは何か?

Q2 48日って、何の日数?

Q3 次の品目の生産量はどのくらい下がるか?
   ①お米     ②小麦     ③砂糖

Q4 農林漁業の生産量は何円の減収となるか?

Q5 それとは別に、3・7兆円の損失となるのは何か?

Q6 農水省が試算してはじき出した雇用の減少数は?

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<解答>
Q1  日本の食糧自給率。
 農水省の試算です。87%を海外からの輸入で食べていくことになります。ちなみに、輸入食品の検査率は現在12%。いまより1・5倍も輸入量が増えますから、検査率はさらに低下し、輸入食品の安全性は危ういことになります。

Q2  日本の食料自給率が13%に下がった場合、その生産量で日本の全国民が食いつなぐことができる日数。
 食料の輸入が全面ストップすると、日本国民の食料は48日(1ヶ月半)しか持たず、後は餓死を待つだけという地獄。食料安保という視点はゼロということです。

Q3  ①お米は90%の減、②小麦と、③砂糖は、ほぼ壊滅。
 つまり、日本では田んぼがほぼなくなり、小麦畑、ピート畑、サトウキビ畑は姿を消してしまいます。広大な荒地が広がります。

Q4  4・5兆円の減収。
 農水省は、日本がTPPに参加すると農林漁業の生産額が4・5兆円減少するとしています。

Q5  農業の多面的機能がもつ経済効果。
 
農業は、空気や水の浄化など環境保全面をはじめとする多面的機能をもっていますが、これが破壊され、金額換算で3・7兆円の損失となります。

Q6  350万人。
 農水省が試算した結果、農林漁業のほか、食品加工など地場の関連産業をあわせるとおよそ350万人の雇用が失われることに。これではただでさえ疲弊している地域経済が破たんしてしまいます。

 正解率はどうでしたか。
 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は例外品目を設けずに関税をゼロとする広域な自由貿易協定です。対象は物やサービスだけでなく、労働力や投資など広範な分野が含まれています。
 前原外相は「GDPl・5%の(農業など)第一次産業を守るために98・5%(他の産業)のかなりの部分が犠牲になっている」と発言しました。一見もっともに聞こえますが、これは数字をつかった争点ずらしでしょう。
 農業破壊にとどまらず、外国からの安い労働力の流入によって、年収200万円といわれるアジアベース賃金が蔓延します。これらが何をもたらすのか、前原外相は語ろうとしません。
 政府や参加勢力が「新成長戦略」のなかで、都合のいい情報だけを示してTPPに参加する方向を目指していますが、ことは単純にいかないのです。
 問題を解いてみて、あなたはどう考えますか?