自民党議員による勉強会「文化芸術懇話会」でのお勉強の内容が報道された。 講師は百田尚樹さん。安倍さんにべったりくっついて、安倍さんを持ち上げる「文化人」のひとり。ご存知のように、首相官邸がNHK経営委員に推薦した人だ。 経営委員時代にも物議を醸す発言を繰り返し、さすがに辞めざるを得なくなった。 | 政権党の劣化がひどい |
「ねつ造」
この人の特徴は、「ねつ造」を平気で行うこと。
この人が書いた「永遠の0」という小説に対して、宮崎駿さんは「ねつ造」だと痛烈に批判した。
小説の世界では許されるであろうが、勉強会の講師の立場で発言するときはいくらなんでもまずいだろう。
ところが、安倍さんを応援するために、またまたやらかしてしまった。
いわく「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りは何もない。基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、今や街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのは分かるが、そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる。基地の地主たちは大金もちなんですよ。彼らはもし基地が出て行ったりしたら、えらいことになる」と。
挙句に、「沖縄2紙つぶす」とまでぶち上げた。
「文化芸術懇話会」の代表を務める木原稔・党青年局長は、「百田氏は自分の強い信念に基づいて発信し、国民に受け入れられている。われわれ政治家が学ばなきゃいけない」と記者団に語ったそうだ。
百田さんの普天間基地の話は「ねつ造」。見てきたような嘘ともいえる。
その講演を聞いた政治家が、「学ばなきゃいけない」とそれを受けとめるのだから、ことによっては「ねつ造」を基に政治が行われかねない。
現に議員から「マスコミ懲らしめる」との発言が出たという。
聞いてあきれる会の名称
ところで、この勉強会「文化芸術懇話会」は、「9条の会」に対抗して立ち上げたという。
「9条の会」は「憲法9条を守ろう」という会だ。それに対抗するということは「憲法9条をなくそう」ということに他ならない。
であれば、会の名称を「反9条の会」とか「憲法9条の改正をめざす会」とするのではないか。対抗を鮮明にするためにも。
ところがどうだろう。批判を恐れてのことか、動きを悟られないためか、会の名称そのものを「偽装」「ねつ造」しているとしか思えない。小ずるいというか、狡猾というか、あるいは本質を隠す陰湿さというか、こうした動きをみると、この勉強会に集う自民党議員には不穏な体質を感じる。
多数になびく、権力におもねる、こうした風に乗って自分の保身や利益と結びつけようと政治家が動くと、とんでもない未来を招きかねない。
政権党である自民党のレッキとした勉強会の出来事である。問題が明らかになったのであるから、会の代表がきちんと釈明すべきであろう。ところが、党としては代表の首を切って一件落着を図ることとした(6月27日現在)。
民主主義の根幹にかかわる問題をお茶を濁す処理ですり抜けようというのだから、自民党の体質もよくわかるというものだ。