ヤマダ電機が46店舗の閉鎖を発表した。今月中に37店舗を完全閉鎖し、9店舗は業態転換やリニューアルなどして閉鎖するとしている。
このニュースに接した人は消費税増税の影響だろうと思ったはず。
何人かとこの話題になったが、まずは消費税増税、次にネット販売で、家電量販店はこれから大変だろうという結論になった。
ヤマダ電機の2015年3月期は大幅な減収減益。家電量販店の巨人といわれ、売上高は1.6兆円で、2位のビックカメラに2倍の差をつけているが、消費税増税の影響をモロに受けたということであろう。
というのも、消費税増税で住宅と耐久消費財の買い控えが顕著に表れており、グループ全体で4,400店舗を展開する規模の大きさゆえに、買い控えの影響は余計に大きくなる。
想定外
黒田東彦日銀総裁も、消費税増税について「経済に想定以上の影響を与えたのは事実だ」と指摘し、消費低迷が「やや予想を超えた大きさだったと認めざるを得ない」と、5月13日の参院・調査会で語った。
オヤオヤである。
たくさんの人が消費不況は必然だと警鐘を鳴らしたではないか。
そんなことも想定できないようでは、日銀総裁失格ではないか。
ちなみに、平成26年度国内総生産GDPは5年ぶりのマイナス1.0%と、マイナス成長。最大の要因は個人消費の落ち込みで、3.1%減は過去最大の下落となった。
住宅は長期低迷に拍車
住宅建設の駆け込み需要は思ったほどではなかったという。「山高ければ谷深し」とはならなかったわけだ。それはよかったではないかと思うかもしれないが、ほとんど右肩下がりで住宅建設は減少し、平成9年以降の低迷を引きずり、拍車をかけている状態だ。むしろ深刻化しているわけだ。
カナダは7%から5%に引き下げ
消費税増税が消費を冷え込ませ、経済を悪化させた例はカナダでも同じ。
カナダは7%に増税した付加価値税を5%に引き下げた。それでずいぶん経済を持ち直した。
黒田総裁は安倍首相とツーカーの仲らしいから、参院調査会で語った自覚があるなら、成長のためにやることは簡単だ。安倍さんに消費税を5%に戻しましょう、できれば3%に下げましょうと進言することだ。
安倍さんのいうことを聞いて300億円も紙幣を増刷したのだから、今度は安倍さんに消費税引下げをやってもらいなさい。
軽減税率では間尺に合わない事態と認識すべきだ。
消費税率引下げが実現した暁には、ヤマダ電機の決断を国民は表彰したいと思う。