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 公約違反オンパレード 

 「国外、最低でも県外」といって普天間基地移転問題で沖縄の人に希望をもたせた鳩山首相。希望を持たせる発言を続けながら、それまでの発言などなかったかのように県内の辺野古移転を公言。
 マニフェスト(宣言)を選挙の道具としてフル活用する民主党は、国民に対して政治を身近なものにし、それなりに新しい動きを作り出したと評価していいのですが、それだけにマニフェストの実現という実績が厳しく問われる関係にあります。

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 沖縄の基地問題は、まさに人権問題ですから、沖縄県民にすれば詐欺によって人権をだまし取られたに等しいことになります。「怒」は当然です。
 普天間だけの話ではありません。
 民主党が選挙公約で掲げたことで、あっさり素通りしていることは……
 後期高齢者医療制度廃止の素通り。75歳以上の高齢者に多額の負担を強いたまま、世界に類を見ない高齢者いじめがまかりとおっています。
 税金関係はひどいものです。
 ① ガソリンの暫定税率を廃止し減税する(廃止したが、当面税率維持で減税なし)。
 ② 中小企業の軽減税率を、当分の間22%から11%に引き下げる。
 ③ 交際費は90%の上限規制を撤廃し、400万円以下は全額損金算入とする。
 自動車が生活に欠かせない人や中小企業にとっては期待の大きかった公約ですが、これらもあっさり素通り。
 公約通りなら、かなりの金額が個人や中小企業の財布に入ったはずですから、これは泥棒にあったようなものです。
 「嘘つきは泥棒のはじまり」「約束は守ろう」「借りたものは返せ」といさめて、子供の道徳感を育成してきたのが日本です。鳩山首相や民主党をみると、このいさめの言葉は余りに無力に響きます。

  普天間の次は消費税増税?

 嘘つきがはっきりしてきた今、本格的泥棒につながる動きがあります。民主党は政権担当期間である4年間は消費税の増税はしないと公約しました。しかし、国債発行による収入が税収を上回る初めての予算を編成した民主党連立政権が狙うのは、消費税の大増税です。
 関西経済連合会は「政府は徒に政権公約にこだわらず……財政健全化の道筋を描き……消費税を10年以内には少なくとも10%から15%程度の引き上げが必要」という一方で、「法人実効税率は30~25%程度まで引き下げよ」と政府に意見を上げています。
 国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局のシニア・アドバイザーは「日本は財政再建へ消費税を15%ぐらいまで引き上げないと間に合わない」と圧力をかけています。
 こうした動きを利用して、参議院選挙の後、早い段階で消費税増税の具体化が加速するでしょう。
 財政危機をあおり、消費税増税によって広く国民全体に財源を負担させるのが狙いです。
国民全体が負担するならいいのではないかとの意見もありますが、少し違います。生活面からみると消費税は物価なのです。1カ月の食費が42,000円(込)だとします。貧乏人も金持ちもそう変わらないとしましょう。それが46,000円出さなければ食費を賄えなくなります。4,000円の値上げです。
 月給25万円の人は1.6%の負担増、月給100万円の役員さんは0.4%の負担増。収入の少ない人の負担感が4倍にもなるように、税率が上がれば上がるほど逆進性が強まる税金ですから、消費税を財源として社会保障費を賄うというもっともらしい理由には与できません。貧富の差を拡大し、消費不況を引き起こすという矛盾を根源的にもつからです。
 応能負担原則を貫き、所得税の最高税率引き上げ、法人税における租税特別措置の見直しなど、庶民増税ではない財源確保の方法はあります。これらの方法こそ、所得が再配分され、安心と活力のある社会が生まれるのです。
 嘘を平気でいう政権がやがて繰り広げるであろう、消費税増税キャンペーンに騙されてはいけません。