トピックスの題材を探すと、最近は暗い出来事や話ばかりに目が行ってしまう。
土石流災害による多数の人的被害。火山噴火がこれまた多数の被害を引き起こした。
エボラ出血熱の被害を食い止められない。デング熱が広がりを見せている。
幼い子供を殺してしまう。人質を殺してしまう。
拉致被害の解決を引き延ばす。
被害にあわれ、亡くなったりケガをしたり、自由を束縛された当事者の無念さ、理不尽さ、怒りはいかばかりのものか。加えて、その人々につながる人々が黒々とした溜りを抱え込む日常と、やりきれない憤怒の広がりに暗然としてしまう。
新展開
そんな中、スコットランドの国民投票に一つの光明をみた。イギリスからの独立を1回限りの国民投票で決定しようという世紀の政治ドラマである。
結果は独立反対票が多数を占め、独立とはならなかった。結果を論評する資格もないし、つもりもない。
心を奪われたのは、独立か否かを投票で決めようという民主主義の在り方であり、新しい国家を住民の意思表示で決めようという思想が、現実に展開されたことである。
沖縄
沖縄はいま基地問題で住民が甚大な負担を強いられている。スコットランド以上に「地域格差」の被害を押し付けられ、中央政府はその固定化に走っているありさまだ。
中央政府が、基地問題の元凶である日米安保の改定をする気がないのであれば、基地問題解消のためには沖縄が独立するしかない。
もともと琉球王国として存在していた国でもある。
北海道
安保ということでは、食料安保の問題もある。日本の食糧自給率はカロリーベースで39%、生産額ベースで66%である。農業つぶし政策のために、自国では国民の食糧を確保できないのだから、大変不安定な状態になっている。
都道府県単位でも自給率が公表されており、第1位は北海道で、カロリーベースが191%、生産額ベースが201%である。いうまでもなくトップ。日本の農地の4分の1は北海道であり、各種の野菜、生乳や牛肉などが第1位の生産量で、日本最大の食糧生産地となっている。
そこで、何か事があり、食糧の輸入がストップするような非常事態が起きたとすればどうなるのであろうか。国民の怒りを鎮静するために、中央政府は農業政策の失策を棚に上げ、北海道から食料を強制的に取り上げて不足地に回し、北海道に犠牲を強いるだろう。
中央政府からいい加減いじめられている北海道が、ならばわれらは農業立国・食糧安全保障国として独立する、ということもありだ。地球温暖化をにらむと、北海道の食糧的価値はいよいよ高まる。
研究を期待
政治学者や法律学者は、スコットランドの動きを目の当たりにして、研究意欲がわかないのだろうか。格差や犠牲を中央政府に押し付けられている地域が独立する権利の確立や、その手続きの制定など、人権宣言の新たな展開、歴史的展開を打ち出してほしいと願わずにはいられない。