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   ボランティアで賠償請求活動

 福島原発事故の被害は深刻で、日が経つにつれ、回復の困難さが明らかになっている。
 東電が損害賠償に応じて、賠償金が支払われているが、その賠償額算定で東電が難癖をつけたり渋りだしているとの報道が続いている。
 賠償金請求のための書類が100ページ以上にも及び、二の足を踏む人もいるという。民商や税経新人会の税理士がボランティアで書類作成を手伝い、大変な感謝が寄せられている。
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   無策の政府

 いろいろな人たちの努力で、何とか当座をしのぐ賠償金を手にしたとて、将来像は全く描けない不安な日々に、被災者の心情はいかばかりか。この深刻なる被害を救済するのは政治しかない。
 ところが、政権の維持や議席の維持に汲々とするばかりで民主党政権の原発事故被害に対する対応は無策といってよい状態だ。

 郡山のある会社が原発事故被害による営業上の損失を請求し賠償金を得た。顧問税理士が決算を組むと原価がないために賠償金が課税所得に跳ね返り、多額の法人税を納付する結果になったという。
 国税庁はホームページで個人の賠償金の扱いを公表している。要は税法そのものの扱いを述べているに過ぎないため、営業補償としての賠償金であれば、事業所得なら事業所得の、不動産所得であれば不動産所得の収入になるとしている(所得税法施行令第94条)。
 そうすると、来年の確定申告では必要経費がほとんどないため、ここでも多額の所得税納付となる事態が生じる。

 賠償金が税金にもっていかれて、生活や営業再建ができるのか?答えは小学生でもわかる話だ。この点は国税庁に噛みついてもはじまらない。
 政策としてどう扱うのか、要は政治の問題である。

    あこぎなことはするな!

 話は簡単だ。東電の賠償金は法人個人すべて非課税扱いにすればいい。いや、しなければならない。
 このテーマが現実問題となってきたため、非課税を求める集会や行動が提起された。
 10月11日、12日、福島市で非課税を求める集会と要請行動が展開される。政府はしっかりと国民の意見と現実を受け止めて、非課税とする政策を立ててほしい。

 法人の非課税は難しいというのなら、賠償金を圧縮の方法で課税を繰り延べる方法もある。期間を定めず、何年か後に営業が見通せるようになったとき圧縮損を戻していくようにすればよい。
 個人の生活の維持と再建はなにものにも代えがたい。会社が再建されていかなければ、その地域の復興はおぼつかない。
 賠償金から税金を巻き上げるような、あこぎなことをやってはいけない。