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政治資金規正法の趣旨など お構いなし?!

 

 小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引に絡み、政治資金規正法違反罪(虚偽記入)に問われ、秘書たちが東京地裁で有罪判決を受けた。
 土地購入資金4億円の虚偽記入にはじまり、2003年から2007年までの5年間で裁判官が指摘した虚偽記入総額はなんと21億7千万円になる(読売新聞の報道)。
 これは確信犯でしかなしえないし、会の代表者が知らないところでやれる数字ではないと思う。
 政治と金の話は本当に腹が立つ。政治を金儲けの材料にすること自体が犯罪的行為だと思う。政党助成金は憲法違反だが、税金から政党に助成金を渡すことになったのは、利益団体からの政治献金(表と裏あわせて)が、利益誘導型に政治をゆがめる構造が露骨になりすぎたためである。国民は、政治のゆがみを是正させるためならやむを得ないと考えて税金を払っているのだ。

   煙にまいてばかりいないで

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 議員は特別公務員である。公務員は全体の奉仕者であって、金をくれた特定者のために利益を与える行為は贈収賄として厳しく罰せられる。そこまで行きつかないように、あるいはそうした行為がすぐバレるように、政治資金を国民の監視が届くように公開しよういうのが政治資金規正法だ。それが嘘の数字だったり、隠ぺいされたのでは、まったく意味をもたないことになってしまう。だからこそ、虚偽記入には重い刑事罰が科せられている。

  法人税なら追徴本税6億5千万円
  重加算税2億2千万円
  消費税あわせて追徴税額の総額は10億円

 小沢一郎元代表の「陸山会」が虚偽記入した行為を、税法に引き直して考えると、その犯罪性は一層際立つ。
 仮に「陸山会」が人格なき社団だとしよう。すると税法上は普通法人と同様の扱いになる。私欲や私的利益を満たすための収入なら、公益性もなく、収益事業となる。
 とすると、収入除外21億7千万円だ。認容すべき経費はなく、まるまる脱税所得だから、追徴本税は法人税で6億5千万円、消費税で1億円。
 国税通則法68条は、納税者が隠ぺいまたは仮装して脱税した場合は重加算税を課すと規定する。
 国税庁のいわゆる「重加通達」では、隠ぺい仮装の例として、「帳簿書類への虚偽記載」を挙げている。「陸山会」の行為はそのものズバリで、重加対象となる。重加は法人税で2億2千万円、消費税で3千8百万円。本税と加算税の合計追徴額は10億円となる。

 民主党として、今回の判決をどう受け止めるのだろうか。
 一方、復興財源確保のため、民主党政権は庶民増税を行うことを方針化した。
 そこで、民主党に提案したい。財源確保が至上命題となっているのだから、「陸山会」に課税して10億円を捻出してはどうか。
 裁判を長引かせたり政治的混乱を引きずるより、この際、金でチャラにする。小沢さんは「国民生活第一」の政治をやると公言しているのだから、反省も含めて「国民生活第一」のために辣腕をふるってもらう。
 国民は喝采を送ると思うのだが……。