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 昨年12月25日のクリスマス、ビッグなプレゼントの話が披露されました。披露したのは鳩山首相。母親から毎月1,500万円の現金をプレゼントしてもらっていたというのです。年間1億8千万円、それが何年も続いていたというのですから、庶民の頭では理解不能です。
 偽り不正による脱税の更正期間7年間に限って計算しても12億円強が母親から贈与されたことになり、「首相」は「殊勝」顔で前5年に遡って贈与税6億円を納税したいと発表した次第です。
 その発表席上で、「国民生活第一」の政治をやるため私は首相をやめないと宣言したのは滑稽なほどチグハグでした。ひとつ踏み込んで、お詫びの印に鳩山家の財産をすべて国民のために拠出するとでもいえば、支持率もアップしたでしょうに。

2010年度税制改正はチョー問題

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 ところが、贈与事件のお詫びに鳩山首相が国民にプレゼントしようというのが、平年度ベース1兆円の増税です(表)。
 2010年税制改正大綱が昨年12月22日に発表されました。増減税規模の見込額は表のようになります。見てのとおり、増税の大部分は扶養控除の廃止や縮減に伴うもの。地方税の増税は、大半が国税の扶養控除廃止に連動する扶養控除の廃止によるものですから、平年度ベースで扶養控除改正に伴う増税は合計1兆円です。
 現政権の目玉政策である「子ども手当」を満額支給すれば、平年度ベースで5兆3千億円といわれています。子育て家庭は恩恵を受けます。

 では、誰が増税の波をかぶるのでしょうか。すばり、子育て家庭以外のごく一般的なサラリーマンや自営業者ということになります。大企業や高額所得者ではありません。これが最大の特徴です。
 所得税の税率を累進化したり資産課税を強化して、高額所得者層に増税して所得再配分の機能を高めるのなら、日本社会を活性化する筋道が開けるでしょう。ところがこれはあっさりパス。
 生活にあえぎ、将来不安を増大させているごく一般の国民どおしで所得を移動させる政策は、所得再配分にならず、社会的矛盾を拡大することになります。
 消費不況が続き、税収減がつづき、財政確保は、消費税の増税しか見えてこない税制改正大綱。こんなプレゼントは願い下げです。
 「応能負担原則」にたった税制改正を求める大きなうねりをつくりましょう。