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  ヤングケアラ―の叫び   「助けてほしい」 ・・・

 大人の代わりに家族の介護や家事を担っている「ヤングケアラー」。 進学や就職の選択肢を制限され、その後の生活に影響が続いてくる。 経済的は困難に直面したりするケースも少なくなく、国の支援はほとんどない。

 国が4月に行った全国調査では、公立中学2年生の5.7%、全日制公立高校2年生の4.1%と約20人に1人が家族を世話していると答えた。

 ヤンギケアラーの「ケア」とは、本来大人が担うとされる家族の介護や家事などを日常的に行うことだ。 ・・・ 当然、学業への影響が懸念されるが、高校を卒業しても抜け出せないまま、社会から放置されている。

 ・ ひとり親家庭で育った。 高校卒業後、一人では歩けない祖母の介護をしながら、大学で学び、アルバイトを掛け持ちながら働いたが、収入はすべて介護費と生活費に消えた。家族が地元の役所に相談に行った。役所の職員からは「限界まで家で面倒を見て」と言われた。学校では「行政に頼るよう習ったのに実際には助けてくれない」
 祖母が入院するまで介護は4年近く続いた。
 「限界を超えたな。 もう死のうかな」。こんな思いにかられた。
 ゼリー飲料や缶詰、調味料 ―。 段ボールを開けた。 すぐに何日分あるか? 何日生きられるか? 数えた。「助けてもらえるとは思わなかった。『死ぬな』って言ってくれた」と振り返る。
 苦境が続いても生活保護の申請には抵抗があった。 「私が助けてほしいと思うのは頑張りがたりないからじゃないか」。 世間の目も気になった。

 “頑張らないと助けてもらえないと思わせている社会はおかしいんじゃないでしょうか。 頑張りにかかわらず、苦しんでいる人は等しく助けられる権利があるはずなのに”
      (朝日新聞11/9、ヤングケアラー助けてほしい より 編集)

  老々介護 「生活保護拒み」 姉・殺害

 寝たきり状態の姉を殺害し、殺人罪に問われた妹の裁判員裁判で、東京地裁は、懲役3年・執行猶予5年の判決を言い渡した。
 被告は一人で姉を介護する「老々介護」の状態で、生活保護を受給して姉を施設に預ける提案を受けていたが、「税金をもらって生きるのは他人に迷惑をかける」などと考え、受給せずに殺害に至っていた。
 判決によると被告は、姉の顔にウェットティッシュを置き、手で押さえて窒息死させた。 犯行時は姉の手を握り「お姉ちゃん、ごめんね」と声をかけたという。
 姉は約5年前に介護が必要となり、2年前ごろから寝たきりの状態に。
 二人の収入は1ヶ月当たり約10万円の年金だけだった。
 被告は姉を特別養護老人施設に入れるため生活保護の受給申請を提案されても拒み、一人で介護を続けていた。
 被告は法廷で「税金からお金をもらうのは他人のお金で生きることで迷惑をかける」 「親にも、他人に迷惑をかけないように言われて育った」
 「これ以上介護できない。 迷惑をかけないためには終わらせるしかない」と殺害後、自ら110番通報した。  

・・・ 「文書通信交通滞在費」「政党助成金」等・・・、勝手に法律を作り、勝手に税金を横取
    りし、明細も領収書も説明も返金もしないという政治家の感性とは全く違う ・・・
 

 生活保護を受給しているのは全国で約164万世帯。だが、必要な人に行きわたっていない。
 生活保護を受ける水準にある低所得世帯の内うち約2~4割にとどまる。(イギリスでは受給している人は約8割)
 生活保護は ▼働けない、または働いても最低限の生活費に満たない ▼預貯金がほぼない ・・・が主な受給要件だが、 ◆親族の援助の有無などが考慮されて、共助を強く求められる。
 自助 → 共助 → 公助 強く求められ ・・・ 政治も社会も弱者を切り捨てる。

 日本社会。これでよいのか ?

  医療費(75歳以上) ➤ 2倍に

 現在、75歳以上の大半は窓口負担は1割だ。 現役並みの所得(単身で年収383万円、複数世帯で520万円以上)の人は3割を負担(全体の7%)するが、2割負担の層を新たにつくり、3段階となる。
 新たに2割負担となる75歳以上の層は約20%・370万人にのぼる。
 単身世帯は年金を含め年収200万円以上、複数世帯では合計320万円以上が対象となる。
 高齢者に収入に応じた負担を求め、現役世代の負担を抑制するというが効果は900億円程度だ。
 18歳以下の子供がいる世帯に5万円のクーポン券に事務費967億円かけることと対比すると、自公政権のやることは「無駄な税金を使う(利権がらみ?)ことは平気で、国民(弱者)に負担を求めることも平気」の政策である。  

  国民負担率 ― 過去最大に ― 今度さらに上昇?

 国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担を示す「国民負担率」が、令和2年度・過去最大となる見込みだ。
 「国民負担率」は個人や企業の所得に占める税金や社会保険料の負担の割合で、公的負担の重さをはかる指標だ。

 令和2年度の「国民負担率」は、昨年度より1.7ポイント増えて46.1%となり過去最大となる見込みだ。

 これに国の財政赤字を加えた「潜在的国民負担率」も、16.8ポイント増加し66.5%と過去最大となるなる見込みだ。

  国民負担率の推移 

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