低所得者 - 無年金・低年金か
消費税過重負担か迫られる
この傷口をさらに広げ、国民負担増を求めようとするのが今回の「税と社会保障の一体改革」である。
“社会保障を削るのか” “(消費税増税で)社会保障を受けるのか”と国民を脅迫して認めさせようというもので、財政のあり方と消費税の使い道の両面で誤った議論・作り話である。
社会保障は憲法で定められた国民の生存権を保障する制度である。所得税も法人税も優先して充てられるべきである。消費税のみに依存し、足りない分は借金で穴埋めする。莫大な借金で行き詰る。これ以上借金を重ねるのか、消費税増税で補うのか、さあ、どっちを採る! と国民の生存権を人質に脅かしてきているのが本質である。
年金未納 4割
税制と年金制度、最大の争点は基礎的年金の財源を税金に変えるか社会保険料で賄い続けるかにある。これにより企業や個人が担う負担や将来の給付も大きく変わる。
現在老後に年金を受け取れるのは原則25年以上保険料を負担した人だけ。負担と給付の関係は明確だが、25年以上保険料を払い続けられるのか、将来まで年金制度に期待し続けられるのか、政府に対する信頼は極めて薄い。
若い頃から年金を納めないと老後は無年金や少額の年金になることは分かっている。
しかし、政府や年金制度への不信感は高まり、いまや国民年金の保険料未納率は4割にも上る。
「最低保障年金」制度は、国民の生存権に関わることである。国家の責任である。
年収200万円以下の給与所得者が4分の1を占めるほど貧困が広がっている。保険料を払うこともできない人たちが老後さらに無年金者となるおそれが将来待ち受けている。
社会保障の財源を賄うため、所得が低いほど負担が重い消費税の増税で賄おうとすれば、貧困が貧困を生み、貧困スパイラルに陥る。貧困者は永久に貧困からの脱却が難しくなる。
税制は負担能力に応じた応能負担が原則である。
社会保障の削減(自公政権時代)から社会保障の拡大=消費税増税(民主政権)でなく、軍事費を削減し、大企業・大資産家への優遇税制を正す財政・税制の改革から社会保障の充実が求められている。