自民党の総裁選挙が9月に行われる。
安倍晋三総裁と石破茂氏が立候補すると宣言した。
アベノミクスは安倍総裁が自画自賛する経済政策であるが、端的にいって、大企業主義経済政策である。
これに対し、石破氏は8月27日に国会内で「日本創生戦略 石破ビジョン」を発表し、その場でアベノミクスを「失敗」と断じた。
アベノミクスに代わる経済政策として、石破氏は地方経済活性化と社会保障制度改革などで消費を喚起する「日本創生会議」を創設し、その政策を推し進めるとした。
この発表に関し、一部の報道解説では、「日本創生戦略」は石破氏が師事した田中角栄氏の教えが反映しているのではないかとしている。
お金で失敗したが、田中角栄氏が「日本列島改造」で地方を元気にしたことは評価してよいであろう。それを手本にするというのである。
また、大企業の儲けのおこぼれで国民の懐が潤い、それで消費を喚起するという根拠なきトリクルダウン消費喚起策に対抗し、社会保障改革で国民の安心感をつくり、国民の消費を喚起するというのであるから、社会保障の改革がどのようなものか不明確なところもあるが、国民に直接安心感を与える点で、あてにならないトリクルダウンとは一線を画すことになるかもしれず、格差が広がり、非正規雇用が増大の一途をたどっている現状に対しては一筋の光が当たる可能性がある。
経済政策で見れば、アベノミクスは本当のお終いにしなければ日本は危ないことになる。
この総裁選挙は、事実上首相選択選挙であるから、国民が参加しないトンデモ民主主義の話であるが、アベノミクスストップの声を何らかの形で表明することが経済政策転換を引き寄せるかもしれない。
黙っていては何も変わらない。声をあげ続けようではないか。