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    「税」と「社会保障」 見直し急務

  厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、2040年に1人暮らし世帯が一般世帯全体の4割近くに達するとの推計を公表した。
 その推計結果からは、65歳以上の独居率が急増するというものだ。 ・・・ 高齢者人口に占める1人暮らしの割合(独居率)は、
     2015年
  男性 14.0%(206万人)
  女性 21.8%(420万人)
     2040年
  男性 20.8%(356万人)
  女性 24.5%(540万人)
と、男性1.7倍、女性1.5倍にそれぞれ増えるというもの。
 この原因は、非正規雇用の増大と厳しい低賃金。格差と貧困の拡大が未婚化の流れを促進しているとも言われる。
 未婚の1人暮らしの急増は、経済的困難を抱える高齢者の増大につながる危険がある。

      深刻な高齢社会
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  「自助」と「共助」では解決できない ・ なぜ「公助」を削る

 安倍政権は、社会保障の高齢者サービスが手厚すぎるとして、「公助」(公的サービス)の抑制・削減をする一方、 「自助」(本人や家族の自己責任)を強いり、「共助」(地域住民による助け合い)に頼るという重い責任と負担を負わせようとしている。

 「税」には所得の再配分という基本的な使命がある。 医療・介護へのさらなる国費投入(所得の再配分)による社会保障の制度改革など根本的な転換が急務である。

   “将来”を見すえた 「税」と「社会保障」の論議を

 子育て支援をはじめ、高齢者や現役世代への支えを充実させるため、大胆に公費を投入し、「社会保障制度を『全世代型』へと大きく転換しなければならない」と安倍首相は年頭の記者会見で強調した。
 しかし、社会保障の財源は、国債の発行、つまり将来世代へのつけ回しに頼っている。

 2012年、旧民主、自民、公明の3党が合意した「税」と「社会保障」の一体改革は、所得や資産が多い人はもとより、消費増税で国民全体に負担を求める。 支援が必要な人への給付を急ぎつつ、借金への依存も抑える。 と、政治が与野党の壁を越えて出した答えだったはずだ。

 安倍政権は、その3党合意(税と社会保障の一体改革)の枠組みを一方的に変更した。
 「財政健全化の旗は降ろさない」と首相は強調するが、2020年度に基礎的財政収支を黒字化するという計画を安倍政権は断念した。

 「税の集め方」「税の使い方」、「給付」と「負担」の全体像を明確にし、長期的な視点で議論を主導する重い責任が政治にはある。

 2025年には団塊の世代が全員75歳以上になる。国民の暮らしと安全を考えると。悠長に目先のことばかり考えてはいられない。 日本の高齢者が崩壊する。

   年金支給開始「70歳超も可」 高齢者の就業促進強調

 齢社会対策の指針となる政府の「高齢社会対策大綱」が決定した。 一人でも多くの高齢者に働き続けてもらって経済成長を持続させたいとの思いが込められているが、年金を受け取り始める年齢は、70歳を超えてからでも選べるように検討されることになった。
 これでは健康寿命のうちには年金はもらえない? に等しい。 ・・・ その後は介護保険か?

 現役世代には年を取った時に備えた「自助努力」を促す施策も随所にみられる。

 高齢者も若者も、すべての国民が安心して暮らせる社会保障・医療制度・就学制度がいまの日本には緊急に求められている。

    しっかりせよ !  年金支給 庁

・ 支給ミス33種類判明
・ 年金の加算もれ判明
・ 年金支給、130万人減額
・ 私も2.5万円減らされた
・ 取られる所得税が増えた
・ 年金の過少支給20億円に
 年金に関するずさんな問題が噴出している。
 管理システムの問題。 扶養控除申告書の様式が変わったから。 委託先の入力ミス。 ・・・
等、言い訳はしているが、基本は日本年金機構(政府)に国民の受給権を守る姿勢がない。

「森友学園」への国有地売却をめぐる公文書改ざん、「加計学園」の獣医学部新設で“首相案件”文書の発覚、「防衛省」の日報隠ぺい・「厚生労働省」の資料原本隠ぺい・捏造、「文部科学省」の前次官監視問題、挙句は「財務省」トップ事務次官のセクハラ ・・・ 根っ子は同じ、政府・官僚の劣化が音を立てて崩れている。

 国民の代表としての政治家。 国民の公僕としての官僚。 国民のための行政。 ・・・ いま、緊急に求められている。

 年金は高齢者の命の綱である。