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  地域から消える小売業  日本経済の柱崩壊

   中小企業白書によると、中小企業の小売業数は153万社(1996年)から67万社(2014年)に減少。 約20年間で半分以下になった。 特に、地方の中小小売業は壊滅状態だ。 スーパー、コンビニ、ネット通販におされ、地域社会そのものも崩壊してきた。
 背景には、大規模店の地方進出と個人消費の低迷がある。 独立行政法人中小企業基盤調査機構の2018年1~3月期の「中小企業景況調査」によると、『経営上の問題点』として、“大・中型店の進出による競争の激化” “需要の停滞” を最も多く上げている。 ついで、“消費者ニーズの変化への対応” “購買力の他地域への流出”と続く。

 活気のある商店街は昔の話‥‥
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 1990年代に大規模小売店舗法が廃止され、大型スーパーなどが地方に自由に進出できるようになった。 その結果、多くの商店が廃業に追い込まれ、各地の商店街がシャッター通りになった。
さらに今、ネット通販が拡大し、購買動向が変化し、地方の大型店舗ですら生き残りに懸命だ。

 名ばかり? 金バラマキ? ・・・ 掛け声だけの地方創生ではなく、国民生活や地方経済、中小小売店を支援する経済政策が必要だ。

   トヨタ自動車・利益剰余金1.9兆円増 法人税は1200億円減

 トヨタ自動車が発表した2018年3月期連結決算によると、内部留保・利益剰余金は19兆4735億円と前期比1兆8724億円の増加。 営業利益は2兆3998億円と前期比4054億円増加した。 純利益は前期比36.2%増の2兆4939億円だ。
 一方、法人税等は5044億円と前期比1244億円減少した。

 純利益が増加したが、税負担額は減少した。 腑に落ちない税制だ。

   大企業ほど税負担低下 庶民には増税・・・安倍政権の政策

 国税庁が発表した2016年の会社標本調査(「税務統計からみた法人企業の実態」)をみると、資本金1億円以下の小規模企業の税負担率が18.1%なのに対し、資本金100億円超の大企業の税負担率は12.4%。 連結納税法人にいたっては5.2%にすぎなかった。
 資本金10億円超の企業と連結納税法人を合わせた税負担率は10.4%であった。

 大企業と小規模企業の格差はますます拡大している。 国民の貧富の格差拡大と根は一つ。・・・力・富のあるものが生き残る。 という国の政策がもたらしているものだ。 安倍自公政権の政策だ。

 大企業優遇税制を廃止し、国民生活優先の政治経済再策に転換する必要がある。

    GDP 年0.6%減  民需が減少・脆弱さ回復なし

 内閣府は2018年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減と発表した。
 同じ下落が1年続くと仮定した年率換算で0.6%減となる。

 個人消費など国内需要が軒並み落ち込み、輸出から輸入を差し引いた純輸出がかろうじてプラス。大企業の儲けを最優先し、国民生活を蔑ろにしてきた「アベノミクス」の破綻の表れだ。 国民の暮らしを根本から立て直す政策を打ち出さない限り経済再生の道はない。

 安倍自公政権が復活(2012年)して以来、実質GDPは2013年度2.6%プラス、 2014年度0.3%マイナス(消費税率増税)、2015年度1.4%プラス、2016年度1.2%プラス、2017年度1.5%プラス と目標値3.0%には遠く及んでいない。 まさに「アベノミクス」の失敗である。 大企業は潤しても国民の雇用や所得は増えず、「消費不況」は長引いている。

 来年10月、消費税率8%から10%への引き上げが行われれば、国民生活も崩壊しかねない。

   世界経済 3.9%成長   IMF発表

 国際通貨基金(IMF)は、2018年の世界全体の成長率は3.9%と発表した。(日本は1.2%)

 アメリカを中心に景気拡大を見込む一方、米中間で貿易制裁の応酬が広がる事態を懸念し、「リスクは明確に下振れ方向に傾いている」とも指摘している。
 ユーロ圏は消費の持ち直しを受け、2.4%に上方修正した。

 「100%トランプと一体である」とする日本のトップ(安倍首相)。 アメリカがクシャミをしたら、日本は風邪をひかなければならないのか?

 可笑しな独立国である。

   仮想通貨相談  1年で3倍超  7割が「詐欺」

 消費者庁のまとめによると、仮想通貨に関連する消費生活相談がこの1年で3倍に増えている。
 相談の7割程度が仮想通貨を使った詐欺だという。

 仮想通貨はあくまで『仮想』の通貨であり、実質交換通貨でないことを知ることが重要だ。