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   実在なくても・・・ 投資の対象

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 書店に行くと、「仮想通貨」雑誌がところ狭しと店頭に並ぶ。 異常な投資ブームだ。

 インターネットの不正接続によって、仮想通貨交換業者が顧客の仮想通貨を大量に流出させた事件が広く関心を寄せている。
 仮想通貨は、「経済の金融化」の必然的な申し子である。 所詮、仮装・バーチャルの世界であり、実態はない。

 金融化の背景には、実体経済の成長から遊離した過剰な貨幣資本の蓄積がある。 過剰な貨幣資本は、富裕層と機関投資家が利殖目的で運用する資本だ。 これらの多くは生産拡大には向かわず。架空資本市場での金融・投機活動に充てられる。 ・・・ すなわち、庶民が、汗水流して稼いだお金を「一獲千金」・「儲かる」・「資産を100倍に」 ・・・ と言われて手を出す世界ではない! 
あくまで『仮想』・『バーチャル』の世界であり、行き着く先は“泡と化す”世界である。 富裕層と機関投資家は、そうなる前に「勝ち逃げ」している。

 経済の金融化は、雇用の削減・不安定化、賃金・労働分配率の低下、経済成長率の低下をもたらす。

 経済金融化のもとで、一方における実体経済の停滞と、他方における貨幣資本の過剰蓄積が、限度を超えて乖離すると、バブルが膨張し、その崩壊によって金融危機が発生する。 20年前の世界金融恐慌はその歴史的教訓である。

 出口の見えない超低金利と超金融緩和、純粋に投機的な架空資本(株式・社債など)からサイバー空間につくられた新種の架空資本(仮想通貨)に市場を移動してきた ・・・ 騙され・苦しむのは、庶民である。

  仮想通貨は 通貨ではない

 仮想通貨は、通貨ではないとすれば何なのか? 
 仮想通貨は、単に保有するだけでは所得を生み出さない。 株式や債券などと同じ金融資産ではなく、架空資本でもない。 仮想通貨には投機手段以外に、いかなる意味でも使用価値はない。 実在する『財』ではない。 いわば、カジノでやりとりされるチップのようなもので、発行体の存在しないバーチャル(架空)のチップである。

 仮想通貨は、あたかも株式や社債と同じ有価証券であるかのごとく取り扱われており、仮想通貨市場は、「カジノ化」が進む現代の証券市場に限りなく近くなっている。
 しかし、株式や債券は、発行体が存在し、発行体が所有者に将来の貨幣支払(キャッシュフロー)を約束した契約である。
 仮想通貨は、発行体が存在しない架空の世界で、貨幣支払(キャッシュフロー)を約束した契約は存在しない。

 仮想通貨交換所は、一定の証拠金と引き換えに、その何倍もの仮想通貨取引を顧客にさせ、取引高をかさ上げし、手数料を稼いでいる。こうしたサービスを利用するのは、仮想通貨投機を専門とする多数のヘッジファンドだ。

 仮想通貨が本来の通貨として普及する見通しは極めて乏しい。 サーバー空間における投機の蔓延は資本主義にとって自滅的現象となる。
 このような仮想通貨を生み出した金融の申し子は、将来の金融市場だけでなく、政府と市民の関係を含めた社会生活全般にどのような変化をもたらすか? 今後注視する必要がある。

    仮想通貨  仮面はがれる

 仮想通貨の仮面がはがれ始めている、
 金融庁は仮想通貨交換業者に立ち入り検査し、7社に行政処分を行った。
 ビットステーション社は、経営企画部長が利用者から預かった仮想通貨を私的に流用した。 FSHO社は、マネーロンダリングの恐れがある高額取引について確認や金融庁への届出義務を怠った。
 見えてくるのは、交換業者のずさんな管理体制だ。

 アメリカ大手投資銀行ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン会長兼最高経営責任者は、仮想通貨の一つビットコインについて、「価格が高すぎるため、決済手段として使えない、1日で10%も変動するようでは、資産の保全手段としても適さない」(日経)と述べている。
<以上、仮想通貨・金融の申し子シリーズ(赤旗)より抜粋>

   ビットコインなど “仮想通貨監視強化” G20で声明

 20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が先月開かれ、共同声明で「仮想通貨の国際的監視」を呼びかけた。
 消費者被害や脱税、マネーロンダリング(資金洗浄)など各国で生じている数々の問題を挙げた。
 共同声明は仮想通貨を「暗号資産」と呼び、「通貨」の名称を与えなかった。
 “暗号資産は消費者・投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、テロ資金供与に関する問題を提起する”と指摘。
 また“暗号資産は法定通貨の主要な特性を欠いている”と述べ、通貨の役割を果たしていないことを警告した。
 “暗号資産はある時点で金融安定に影響を及ぼす可能性がある”との懸念も表明した。