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  現状認識・反省なし

 通常国会が開会され、各党の代表質問が始まった。
 安倍首相は、“少子高齢化という「国難」を乗り越えるため「新たな国創(くにづく)り」を・・ 」 「憲法改正はいよいよ実現の時を迎えた(明治時代への回帰)・・・ 」と訴えたが、答弁は、口数は多いが、肝心の中身は国民の想いとは乖離したもので、現状認識と反省はまったくなかった。

  アベノミクスはあなた次第
   経団連さん、あなたです
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  儲け過ぎたから 3%の賃上げを ! 経団連

 経団連の「経営労働政策特別委員会報告」が“3%の賃金引き上げ”にむけて「前向きな検討が望まれる」とし、内部留保については“「人材への投資」も含めた一層の有効活用が望まれる”と踏み込んだ姿勢を打ち出した。 ・・・ 連合(労働組合)は何だったのか?

 企業全体の経常利益は過去最高の水準でありながら、賃金は低下・個人消費は低迷するといった実態と、生活改善と景気回復のため大幅賃上げを求める世論に追い詰められた経団連の報告だ。

 企業が儲かれば、やがて労働者にしたたり落ちるというアベノミクスの『トリクルダウン』の破綻を経団連自ら認めたものだ。 ・・・ 安倍首相は代表質問でも認めず、さらに推進すると言う。
 景気回復と所得の蓄積は大企業には集中しているが、個人消費の伸びはいまだ低迷しており、景気回復の実感は国民には広がっていない。 ・・・ 安倍首相はアベノミクスの破綻を認めるべきだ。

 3%の賃金引き上げを中小企業まで・・・ と政府は言っているが、大企業に比べ景気回復の実感に乏しい中小企業・下請企業は、大企業から依然として厳しい低単価を押し付けられている。・・・
「とてもではない! 下請単価は据え置いて、我々にも3%の賃上げを! などできる話ではない」
と憤っている経営者も多い。
 経団連は、正社員や非正規社員も、下請単価も・・・全てにおいて3%の引上げ(利益の払出)をすべきであり、政府も指導すべきである。 それこそが景気回復につながる唯一の道である。

  安倍首相誕生5年 いまだ出来ず「経済再生」

 安倍首相が政権に復帰してからまもなく5年となる。 政権復帰時、重要課題として掲げた『経済再生』はいまだ実現していない。 それどころか、国民の貧困と格差はますます拡大し、社会保障は切り捨てられ、経済はより脆弱となった。

 安倍首相は、ことあるごとに「経済再生」最優先と繰り返し、自らの名前を冠した「アベノミクス」を政策の基本としてきた。
 日銀総裁の首を挿げ替えてまで日本銀行と一体となった ①「大胆な金融緩和」、国債を増発(借金)しての ②「機動的な財政運営」、さらには規制緩和による ③「成長戦略」を『3本の矢』としてきた。
 その後、「GDP600兆円」・「希望出生率1.8」・「介護離職0」を新3本の矢とし、 さらにいま、「人づくり革命」・「生産性革命」・「新たな国創り」を新政策パッケージとして打ち出してきている。

 安倍政権は、消費税の増税・社会保障費の負担増はあっても国民生活の改善・成果はみえない。
目先を変えた“3本の矢”や「新政策パッケージ」は実態が伴わない。 国民はそろそろ見破り始めている。

 「3本の矢」 ― 「金融緩和」 「財政拡大」 「円安・株高」 を実現できれば大企業や大資産家が儲かり、 巡り巡って国民にも滴り落ちてくる(トリクルダウン)は完全に破綻した。

 異次元の金融緩和 ― 破綻の結果 ― 国民を直撃する負の遺産
 国債は政府の借金だ。アベノミクスにより今後返済しなければならない政府債務は1,079兆円に達した。 この借金返済の資金はどこから調達するのか?  国民増税か  預金封鎖か  インフレか ・・・ いずれにしても国民にツケが廻ってくる。

  国民1人当たりの借金=852万円(4人世帯3408万円)

 政府の総債務残高(GDP比)ランキング <IMF2013/4版>
1位 日 本   237.92%
2位 ギリシャ  158.55%
3位 ジャマイカ 146.59%

  アベノミクス = 企業利益ファースト

 アベノミクスの本質は“企業利益第一主義”だ。 企業利益が増大すれば、設備投資、雇用、所得が拡大するというシナリオだ。 しかし、このシナリオは虚構で、根拠も道筋もない。
 政府も日銀もこの失政を覆い隠すため新たな政策パッケージを打ち出し、政策目標を遅らせ、なりふり構わず株価つり上げに奔走する。
 日本経済という機関車は暴走している。 機関士を交代させないと国民経済が崩壊する。

  国民1人当たりGDP ・ 世界22位

 国民1人当たりのGDPは、世界22位である。(2016年)
1位 ルクセンブルク    104,095 us$
2位 スイス           80,346 us$
3位 ノルウェー         70,553 us$
8位 アメリカ           57,608 us$
22位  日本             38,883 us$