「社会保障」・・・6兆5千億円の負担増・給付減 (5年間)
安倍政権は社会保障制度を「高齢者中心」から「全世代型」へ転換すると訴えている。
現役世代の不安解消が口実で、実態は今後も一層の負担増・給付減を進め、全世帯・老若男女すべてに広げていく政策だ。
前自公政権時代、年金改悪法案を強行採決した際、「年金・これで100年安心」と大見得を切ったのは当時の厚生労働大臣(公明党)ではなかったのか。 あれから10年余・・・
安倍自公政権復帰後の5年間で社会保障はズタズタに切り捨てられた。 国民の医療費負担・介護サービス利用料値上げ、介護保険給付外し、年金受給額の減額、生活保護費削減を強行。 国民が受けた負担増・給付減は6兆5000億円に達する。
一方、国民健康保険料や国民年金は負担増を強いり、滞納者へは容赦ない取り立て(生活保護費や児童手当まで差し押さえる)を強行している。
今後、医療では病床削減(金持ち以外病院に入院できない)、年金受給開始年齢(現行65歳を67歳、70歳、75歳へ)の引上げだ。・・・日本では年金生活者を認めない! に等しい。
以前、スウェーデンに税制研究で視察に行った時のスウェーデン政府役人の言葉を思い起こす。 “国家は偉大なる父親である” “我々は、その父親を信じて税金を支払っている” “日本の民主主義は100年遅れている” ・・・
国民の不安を解消(父親は子供に不安を与えない)するには、低所得者により重い消費税増税を中止し、大企業や富裕層に応分の負担(税の基本=応能負担の原則)を求める「税の集め方」の改革と、社会保障・子育て・教育(教育費の国庫負担・先進国中最低)を優先する「税の使い方」改革こそ緊急の課題だ。 それこそが格差と貧困の是正に繋がる。
法人所得63兆円/過去最高を更新 ・ 法人税は減収
国税庁は10月、2016年度に法人が申告した所得額が前年度比3.2%増の63兆4749億円。
3年連続で過去最高を更新したと発表した。
大企業中心に好況企業業績を反映したものだが、法人税減税の影響で税額は1.3%減の11兆2372億円と減収した。 ・・・ 法人税減税がなければ5000億円以上の増収だ。 衆議院選の争点となった幼児教育費無償化の財源に等しい。
“働く貧困層” 4年連続で1100万人超
同じく国税庁が発表した2016年分の民間給与実態統計調査によると、1年を通じて働いても年収が200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)は1132、3万人と前年より1、5万人増加した。 働く貧困層が1100万人を超えるのは4年連続だ。
一方、2500万円超(区分では最上位)の給与所得者は2年連続で増加。2016年分では12万人となり、格差拡大が顕著に表れている。
雇用形態別にみると、正規雇用者の486万9千円に対し、非正規雇用者は172万1千円。その差は314万8千円<2.83倍>と4年連続で格差は拡大している。
性別でみても女性は男性の53.7%と半額程度にとどまっている。
公金(官製)バブル 株価上昇
東証21年ぶりの高値、終値2万円超え・・・ と10月の株式市場は沸き立っていた。
安倍首相は、アベノミクス成果と誇らしげに演出するが、実態は公金(税金)ジャブジャブ60兆円の注ぎ込みの官製相場である。
株価の上昇は株価つり上げ政策の結果で、恩恵を受けているのは大企業や富裕層であり、株を持たない庶民との格差はますます広がっている。
巨額の公的資金の投入は「株価が下がらないという安心感を市場に与えている」と市場関係者は言うが、「官製相場の演出」には危惧する声もある。
経済同友会の小林喜光代表幹事は記者会見で、最近の株価上昇について「バブルの可能性がある」と述べ、「株が高いからといって単純に喜べる状況か」と語り、警戒感を示した。
また、金融緩和のつづく日本の金融政策に対しては、「いつまでも緩和はありえない。(日銀の出口戦略を)何らかの形で準備が必要だ」と強調した。