世界の軍事支出 214兆円 (2014年)
ニューヨークの国連本部で開かれた国連持続可能な開発目標に関する首脳会合で採択された目標を実践するための資金をどう確保するか重要な論点となっている。 この中で巨額の軍事費を開発に回すべきだという声が出ている。 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が発表した報告書によると、2014年の世界の軍事支出は約214兆円に上る。 | 市ヶ谷にある防衛省 機構と予算が膨張 |
西アフリカ.ガンビアのネネ・マクドウアル・ガイ外相は「紛争は開発にとって最大の難題だ。開発の歩みを速めたであろう莫大な資金、破壊を招く武器に費やされている」と指摘。「国連や世界全体が紛争の対処に緊急の注意をはらわなければならない」と語った。
キューバのラウル・カストロ国家評議会議長は「毎年1.7兆㌦(214兆円)の軍事費が使われている中で、資金がないという言い訳は通用しない。軍事費を削減しなければ、安定して長続きする平和も開発も不可能」と発言。
ボリビアのモラレス大統領は「貧困においやられる人がいる一方で、世界の軍事費は天文学的な金額にまで増えている」批判した。
非政府組織(NGO)を代表して発言した国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの代表は「武器の製造国になりながら平和を解くことはできない」と訴えた。
武器輸出推進 防衛装備庁が発足 ・ 戦争法可決で
可決された憲法違反の戦争法の実施に向けて防衛省での体制強化が着々と進んでいる。防衛省設置(改悪)法の成立(6月)を受け、10月1日には武器輸出推進のための防衛装備庁が同省の外局として発足した。
部隊の運用や戦争計画の策定を担う統合幕僚監部の機能強化も図り、戦争しない国から戦争する国へと大規模な組織再編となっている。
防衛装備庁は省内の関連部門を統合し、武器の研究開発・調達・補給・管理・輸出などを一元的に扱う新官庁だ。軍需産業の育成や武器輸出の支援策を企画・立案する政策庁として1800人体制で発足した。
戦時中の軍需省さながらの「死の商人」支援の専門官庁だ。 ・・・ 狙いは、「産」「官」「学」の国家体制を構築することにある。
平和産業 より 軍事産業
日本の中小企業予算は“すずめの涙” 地方創生・1億総活躍社会を目指すとアドバルーンを上げている安倍政権。2016年度概算要求は前年比3割増で2379億円でしかない。在日米軍の「思いやり予算」と大差ない。 ・・・ 地域経済の主役と位置づけるにはあまりにも低すぎる。
安倍政権の中小企業軽視は予算ばかりではない。国の中小企業政策を担当する中小企業庁の職員数は188人(2012年度)。 一方、発足した防衛装備庁は1800人と10倍だ。
中小企業庁設置法は第1条で、国民経済の健全な発展や独占防止など中小企業が日本社会で果たしている重要な役割に言及し、中小企業の育成・発展に必要な条件を整備することが同庁の目的と定めている。防衛装備庁の目的は前述のとおりである。
2016年度概算要求で防衛省は過去最大の5兆911億円を要求している。増額分だけで1110億円だ。中小企業予算の半額分が1年分で増額された。
平和産業より軍需産業(大企業)を優先する安倍政権の姿勢は、中小企業に冷たく大企業に甘い経済政策である。