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  内部留保の過大な蓄積が原因

 経済協力開発機構(OECD)は最新の世界経済見通しを公表し、2015年の日本の実質GDP(国内総生産)伸び率を0.6%へと下方修正した。(6月の前回予想0.7%)
 分析内容として、「日本の労働市場の改善が、消費回復の持続やインフレ目標の達成に必要な賃金上昇につながっていない」と指摘した。
 アメリカの成長率は堅調な景気回復を維持しているとし2.4%。ユーロ圏も全体として改善していると判断し1.6%にともに上方修正した。

 経済成長最優先、アベノミクスの最終段階と安倍首相は息巻くが、実態は全く伴っておらず掛け声ばかりで国民を騙している。

  日本でも同じ分析結果

 厚生労働省は2015年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を公表した。「労働生産性」が向上しているのに賃金が上昇しない原因を分析し、企業が「付加価値の配分先」として企業側への分配を高め、人件費の割合を低下させていることなどを挙げている。
 企業の当期純利益の分配では、内部留保や配当金が増加しているとし、有価証券への伸びが「特に大企業において顕著となっている」と指摘した。
 また、非正規雇用者の増加により雇用者一人あたりの賃金が抑制されていることも指摘した。
 まさにアベノミクスの目指す方向だ。

  最賃導入8ヶ月  ドイツ360万人に恩恵

 ドイツ労働総同盟(DGB)が報告した賃金の状況について、今年1月から実施された全国一律最低賃金制度が、低賃金で働く労働者の生活を底上げしている実態を明らかにした。
 法律による最低賃金は、2015年1月から徐々に時給8.5ユーロ(日本円で約1,152円)に引き上げられ、17年1月までに全国の全産業分野(特例を除く)で実施される。報告では導入8ヶ月で約360万人が恩恵を受けているとしている。

  低賃金労働者の賃上げ と 雇用も増加

 技術が未熟な労働者は最大9.3%、食品産業で11.5%、飲食店で12.6%、監視員で12%の賃上げ率となっている。
 一方で、小売業で6万人、飲食業で5万人の雇用が増えたとも指摘。 最賃導入前、最賃導入は首切りを横行させると反対していた企業経営者側の主張は当らなかった。
 また、長期失業者が対象の失業手当Ⅱ(失業保険ではなく全額国の予算から支給)の受給者は6万人減って123万人となり、最低賃金制度の導入が労働意欲を刺激しているとも報告している。
 さらに最低賃金導入によって最低賃金未満で働かされる闇労働の拡大が懸念されていたが、闇労働検査官が調査した26000件のうち、違法な闇労働は300件にとどまっていた。

  日本では依然としてブラック企業が横行している

 労働行政を労働者の立場で行う(法執行)か? 企業経営者側の立場で行うか? 経済を見る目がアベノミクスとは真逆の労働法制である。

 安倍首相 岸信介元首相じいさんの亡霊に取り付かれた国民無視の戦争法案強行採決に躍起となるのではなく、先進世界の労働法制、国民生活の向上政策を少しは勉強してみたら?