『打ち出の小槌』と化した “消費税”
現在、垂れ流しともいえる金融緩和で4~6月期の国内総生産(GDP)はプラス成長になった。しかし、賃金(基本給)は下がり続けている。民間設備投資には点火せず、6期連続の減少である。
消費増税で景気の腰折れを起こさぬよう首相が指示したのは、さらなる投資減税と法人税率の引き下げだ。
首相には、多くの国民が求めている消費増税の選択肢はなく、庶民には増税、大企業には減税という“消費税増税小槌”を振り下ろすことしかない。
消費増税が主要な財源 ・・・ 国民に受忍せまる
社会保障制度改革国民会議の清家篤会長は最終報告書で、社会保障制度の持続を口実に「社会保険料と並ぶ主要な財源として国・地方の消費税収入をしっかりと確保」するよう強調。消費税増税を受忍するよう国民に迫っている。
所得税や法人税を無視して消費税を「主要な財源」とし、際限のない消費税率アップか、徹底した社会保障の削減かという論理を展開している。
社会保障が巨額の後代(孫子世代)負担を生んでいると世代間分断を描き、軍事費や巨大開発(公共事業)などの浪費が歳出を歪めていること、不公平税制の見直しには目を覆っている。
社会保障制度の持続(消費税増税)か、徹底した社会保障費用の削減(国民に生活権の放棄)かと脅迫している報告書である。
消費税増税が全額社会保障費に充てられるという保証は全くない。
国の借金 1000兆円 1人当たり792万円
財務省は国債や借入金、政府短期証券をあわせた「国の借金」の残高が、2013年6月末時点で1000兆円を突破したと発表した。国民一人あたりに単純計算すると792万円(4人家族世帯・3168万円)である。各世帯高級住宅一軒分である。
国の借金の残高は1008兆6281億円。一国の公的債務の大きさを比較する際には、国と地方の分を合算した指標を使うが、1000兆円超は国の分だけだ。
このつけは、大企業や高資産家に対する徹底した減税、不公平税制に加え、財源もなく浪費した大型公共事業、軍事費への財政支出だ。今もって「国土強靭化計画」と称し、大型公共事業に浪費しようとしている。国民の生活はそっちのけである。
いかに財政健全化を進めても債務膨張に歯止めはかからず、国民生活(社会保障)の切り捨てと、さらなる消費税増税へと進むことは明らかだ。
1ヶ月分の所得が消える-消費税増税・社会保障改悪で
大和総研が発表した「消費税増税等の家計への影響試算」によると、消費税増税や社会保障改悪で1ヶ月分の所得が負担増となることが判明した。
様々なモデル世帯において2011年と2016年の家計を比較。年収から税金や社会保険料を除いた可処分所得がどれだけ減少するかを試算したもの。
最も負担増の割合が大きかったのは、片働き年収300万円・4人世帯だ。2011年に比べ2016年は24万900円、8.56%の負担増となる。片働き年収500万円・4人世帯でも負担割合が7%を超える。おおむね1ヶ月分の所得に相当する金額が負担増となって消えることになる。
いま2013年、2016年まで、あと2年半である。
落選者の 失業手当金に 税金(政党助成金)
先の選挙で落選し、活動資金不足を訴える候補者に支出金(失業手当金?)の検討を考えているという。
ある政党は、これらの落選者に月25万円の支給をしたという。落選者36人に支給した政党は、1億800万円支給となる。
この落選者に支給(失業手当金?)されたお金の原資は私たちの税金である。支給される落選者の中には運動員が選挙違反(買収容疑)で逮捕された人もいる。
消費税増税、社会保障費切り捨てと国民に負担を強いる前に、税金の“究極の無駄使い” = 政党助成金 = を廃止せよ! である。