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 日銀 ― 「異次元の政策」


 異次元 ― 現実の空間とは別の空間 ・・・ ある出来事を境目として歴史が史実とは異なる方向に進展したもの ・・・ とある。
 日銀は、今後2年間で前年比2%の物価上昇率を目指す「量的・質的金融緩和」の導入を決めた。
 アベノミクスを後押しする形で、政策目標を従来の金利からマネーの量に切り替え、市場に供給する金の量を示すマネタリーベースを2年間倍増させる。

     カジノのメッカ
       ラスベガスのカジノロード
         まさに 
異次元の世界

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 国債だけでなく、上場投資信託(ETF)などリスク資産も買って市場金利の低下を促し、企業の投資を後押しする。 ―― 行きつく先はバブルしかない。禁じ手であり、カジノ経済である。
 黒田東彦日銀総裁は記者会見で「これまでの次元と異なる金融緩和だ」と強調した。
 マスコミや一部(投資)国民は、アベノミクスというムードに踊っているが、実感しているのは大企業と投資富裕層のみで、ほとんどの国民は実感していない。

   財政にも深刻な影響

 日銀が決定した「量的・質的金融緩和」政策の評価について、「危うい政策であり、今までやったことのない政策の中で、実体経済が伴っていない。バブルを生むのではないか」と懸念する声も多くある。
 バブル経済は大企業と富裕層・海外投資家は潤い、庶民は物価上昇で苦しむ。バブルが破裂したら失業と倒産の嵐が吹き荒れ、財政にも深刻な影響がある。かつて経験したことである。
 2年で2%の物価上昇という。2年後には消費税は2倍の10%になる。賃金アップは企業が儲かったらおこぼれで・・・ では家計はズタズタに崩壊してしまう。
 まさに、バブルと増税の政策である。

   賃金上昇こそが  デフレ脱却のカギ

 「パーティーの場が乱れる前にお酒は片づける」との言葉がある。安倍政権の金融・経済政策である“アベノミクス”。
 円安・株高は進み、不動産市場へは外資が参入している。毎日の生活費のやりくりに苦労している私たちは、物価の上昇など望んでいない。消費税増税を中心とする経済政策も望んでいない。仕事と賃金を増やし、正規も非正規もない平等な社会を望んでいる。
 「アベノミクス」 ・・・ パーティーの場が乱れているのにお酒を出しつづけなければよいが?

   消費税増税 ― 「打撃になる」 ・・・ 90%超

 2014年4月には8%、2015年10月には10%への増税が予定されている消費税。
 増税は家計消費をさらに冷え込ませ、デフレ不況と閉塞感に苦しむ日本経済を奈落の底に落としかねない。
 東日本大震災から2年、被災地の復興にも大きな障害となる。被災地では「消費税増税は大打撃だ。食べ物にもみんなかかる。生活ができなくなる。みんな『死ね』と言うのか」と憤っている。
 アベノミクスで物価はジワジワ値上がりしている。これに消費税増税が追い打ちをかければ中小企業は価格に転嫁できず廃業に追い込まれる。国民生活は物価上昇(賃金上昇はオコボレで当面空想である)と消費税増税で二重の苦しみに追い込まれる。
 国の財政が大変なら、アベノミクスで投資にうかれ、悠々と暮らしている大企業や富裕層から取ればいいと腹立たしくなる。