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 貧困の連鎖.格差の拡大 ― 「富」は富裕層と大企業へ

 「アベノミクスが日本を救う」「アベノミクスに期待」「アベノミクスは日本経済を再生の道に導く」「日本経済成長戦略が順調に船出」 ――――― 「資産運用は投信○○へ・・・」「資産倍増プロジェクト・・・」
 「アベノミクスを持ち上げる言葉がメディア紙上をにぎわす。
 市場は、「アベノミクス」への期待感から円高・株高へと反応している。
 政権を奪取した安倍総理は、“金融緩和”・“財政出動”・“成長戦略”の「三本の矢」でデフレ脱却と日本経済の再生を図ろうとしている。しかし、その政策のどこにも“国民生活の向上”は出てこない。 ・・・ (物価が上がれば企業は儲かる ― 企業が儲かれば賃金が上がる ― 賃金が上がれば消費が増える ― 消費が増えれば経済が成長する ・・・ 「風が吹けば桶屋が儲かる的方程式」)である。

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 情報先行 情報操作?

 ①「アベノミクス」は通貨戦争を引き起こし、超インフレを招いて日本経済を崩壊に導く・・・。②政府の債務返済がある時点で対応不能となりデフォルト(債務不履行)に陥る・・・。と日本経済が抱える危険を指摘する声は少なくない。

 日本の病(デフレ)の基本的原因は、極端の低賃金・下請コストと過剰な利益の溜め込み(内部留保)で消費・経済が循環できないことにある。日本の消費・経済を循環させるには“どのようにして内部留保を減らすか”“利益の分配をどう増やすか” ・・・ 所得の増加と税収の増加を図る構造改革と均衡な経済への転化である。

 「アベノミクス」の毒は「三本の矢」だけではない。
 生活保護.年金の切り下げ、社会保障の改悪や消費税増税に向け“見せかけの景気回復”を演出するなど「アベコベミクス」である。

  インフレを知らない日本人

 長引く日本経済の低迷。なぜ日本だけはデフレなのか?
 日本で消費者物価指数の上昇率が5%を超えたのは30年以上前の第2次石油ショック期、10%を超えたのは第1次石油ショック期にさかのぼる。
 バブル崩壊後に生まれた若者たちは、デフレの中で成長しインフレを知らない。
 行き過ぎた金融緩和はいずれ大インフレを起こすと警告しても、実感としてとらえられない。
 長引くデフレ経済の中で閉塞感が広がっており、デフレ脱却を標榜するアベノミクスへ期待する。――― だまされているのかな? と思いながらも、霊感商法に期待する心理のように ―――

 日銀の金融緩和は過剰流動性を生み、物価の高騰は様々な生活必需品に波及する。当面賃金の上昇は期待できない。
 日本銀行は物価目標達成(2%上昇)のためなら何でもやる。と言っているが、日本は財政破綻が目前に迫っている。(今年3月末には国の借金だけで1,016兆円.国民1人当たり782万円になる見込み)

アベノミクスノの行きつく先は、国民生活の破たんと大企業の利益増大 ― 貧困の連鎖と格差社会の拡大 ― へとつづく道にならないか。