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  世帯平均所得11万6000円収入減
    
消費増税で12万円負担増

 2011年の1世帯当たりの平均所得が、前年より11万6000円減少し、538万円となったことが厚生労働省の11年国民生活調査で分かった。
 消費税が10%に増税されると子育て世帯を直撃し、子ども手当の廃止と所得税復興増税とあわせ年収500万円世帯で12万円にものぼる重い負担増となる。

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  1世帯当たり年額23万6000円消えてしまう計算だ。1ヵ月分の生活費相当である。
 生活が「苦しい」と感じる割合は(消費増税が実施される前で)61.5%に達し、過去最高となった。

  25年前に逆戻り ・・・ 所得水準

 調査結果によると、1世帯あたりの平均所得はこの10年で最も低く、25年前とほぼ同水準となった。
 最も高かった1994年(平成6年)の664万2000円から126万2000円減少した。
 22歳で大学を卒業、29歳で結婚、18歳未満の子どもがいる55歳の平均世帯では、前年より39万2000円減少し、今後の消費増税と復興増税、社会保障負担増が15万2000円以上想定される。あわせると、年間54万4000円以上の減収、負担増となる。
 社会人として25年間営々と努力を重ね、日本経済の発展に寄与してきた結果、企業は内部留保を莫大に蓄積し、国民生活は25年前に逆戻りする。 ・・・ 「働けど、働けど、我が暮らし楽にならず・・・」、逆さまな政治・経済である。
 生活意識は、「大変苦しい」が25.0%、「やや苦しい」が32.4%。「大変苦しい」の割合は過去最高である。

  企業買収・合併(M&A)、内部留保背景に急増

 国内雇用と国民生活を犠牲にし、企業が溜め込んだ内部留保を背景に、国境を越えた買収・合併(M&A)が急増している。
 40年(バブル崩壊)前、日本経済は高度成長に沸き、農協の旗を掲げた団体旅行客がアメリカ本土をカッポし、企業はアメリカの名だたるビルを買い占めた。・・・これは日本国民も企業も高度経済成長の恩恵に授かった時代であった。
 いまの企業の内部留保の蓄積と海外投資、買収・合併(M&A)は、国内雇用と国民経済を犠牲にして溜め込んだ資金である。
 M&A助言のレコフによると、2012年1~6月期の日本企業による海外企業へのM&Aは262件、前年同期より15%増え過去最高となっている。
 経済通産省の発表した2012年版「通商白書」は、「日本の企業が豊かな資金力を背景に対外買収を積極的に展開」と企業内で膨らむ内部留保が対外M&Aの要因と指摘している。

  内部留保は、― 国内雇用と国民生活の犠牲から

 企業の内部留保は、国内雇用の犠牲 = (派遣労働や「過労死」を生む長時間労働)、 国民経済の犠牲 = (低賃金や下請部品・人工単価の「買いたたき」)などで企業が内部に溜め込んだ利益である。
 国内雇用と国民経済の犠牲の上に吸い取った大企業の内部留保、日本国内の雇用と経済のため積極的に払い出すことこそ、いま政治・経済に求められている。