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  先軍政治・強盛大国は終止符を !

 

 経済疲弊で国民の食料さえままならないにもかかわらず、先軍政治・強盛大国を国家政治思想のスローガンとしている国家があるが、なんとも痛ましい限りである。
 世界各国の膨大な軍事費が国民の生活・経済を窮乏させ、飢餓・気候変動や災害、伝染病などを引き起こしているとし、国連のアンジェラ・ケイン軍縮担当上級代表が各国に対し、軍事費を経済開発に充てるよう求める声明を発表した。
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  国際的な平和組織・国際平和ビューローなどが呼び掛けた「軍事費に関する国際行動日」の4月17日発表された。
 スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所が世界の軍事費に関する報告書も明らかにした。

 世界の軍事費、国別1位はアメリカ、2位は中国、日本は6位

ストックホルム国際平和研究所が発表した「世界軍事報告書」によると、昨年の世界の軍事費は全体で1兆7380億ドル(約139兆7400億円)、国別ではアメリカが1位で7110億ドル(57兆1663億円)、中国が2位で1430億ドル(11兆4975億円)となっています。
1998年以来13年連続で上昇し続けてきた軍事費、昨年も僅かではあるが上昇している。
日本は593億ドル(4兆7678億円、3、4%の伸び)で6位の軍事費を支出している。
過去の歴史でも「軍隊は国民を守らない。軍隊の存在が国民の平和と安全を脅かす」と言われ続けて来たことは人類の教訓である。
「憲法9条は戦争を防ぐ最良の方法」「軍事には対話と共存で」としてきた日本の戦後は、軍事費ではなく経済発展で今日を築いてきたものである。
声明は、世界の軍事費の5%を国民生活に使えば、極度な貧困の半減を目指す「ミレニア開発目標」が達成されると強調している。
そして、世界の政治指導者に対し、「優先順位と資源を(軍事費から)社会、経済、人間の開発に移す」よう呼び掛けている。

 縮む日本経済  賃上げで景気回復を

 日本経済の低迷と世界経済危機を口実に、大企業は大リストラ攻勢をかけている。リーマン・ショック後、正規社員の賃金引下げ・非正規雇用化と非正規雇用切りを進め、国内雇用を破壊し、若者から仕事を奪い続けている。
 政府は自らの政治責任を棚に上げ公務員攻撃をエスカレート、大幅な給与削減を行った。
 大企業は、自ら国内経済を疲弊させ、雇用を壊し、国内生産よりも海外生産を急拡大させてきた。その結果、雇用者報酬は34兆円減、輸出は20兆円もの減少をもたらし、企業利益・内部留保(連結ベース)は10年間で90兆円増加。全労連・労働運動総合研究所の調べでは、資本金10億円以上の大企業が保有する内部留保(同)は266兆円にも達している。海外現地法人での内部留保額も20兆円以上へと急増させている。
 政府は、自らの政策失敗を財政危機・税と社会保障の一体改革に転嫁し、公務員切りと給与カットへと突き進んでいる。政党助成金320億円カット(税金の政党山分け)・国会議員ヤミ報酬(1人当たり月額100万円・文書通信交通滞在費)は議論さえしていない。

 軍事費・税金の無駄遣いと大企業の内部留保を
 国民生活経済と賃金引上げにまわし景気回復を


 民間企業の年間平均賃金は、2000年に比し2010年は50万円も減少した。
上場企業の現金や預金などいつでも使える手元流動性資金は60兆円にも達している。賃上げや雇用拡大に背を向けることは許されない。
政党や政治家が山分けしている税金、政党助成金と文書通信交通滞在費だけでも330億円に達する。税金の無駄遣い・山分けに目を瞑ることは許されない。
巨額の内部留保を活用すれば大幅な賃上げや雇用拡大は可能であり、内需を活発にして経済発展の道を開くことができる。
税金の山分けと無駄遣いを国民生活に向ければ、安心・安全な社会が築け、社会の発展に道を開くことができるはずである。

 世界経済 “リスク高止まり”

国際通貨基金(IMF)の諮問機関である国際通貨金融委員会は声明を採択し、「世界経済の成長見通しは依然緩やかで、リスクが高止まりしている」と警告。
その上で「信認回復や雇用創出のため引き続き共同して行動する」と強調した。