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 若者の雇用情勢深刻 ・・・ 失業率8.5%

  総務省が3月2日発表した労働力調査によると、1月の完全失業率(季節調査値)は4.6%と前月比0.1ポイント悪化した。
 完全失業者数(同)は前月比9万人増加し、305万人となった。
 就業者数(同)は6,259万人で前月比35万人の減少である。
 完全失業者数をみると、15~24歳の若者は8.5%(前月比0.8ポイント悪化)と、他の世代に比し高水準である。

 若者たちが置かれている深刻な雇用情勢は、社会を根底からむしばんでいる。
 若者の失業者は世界全体で7,500万人、働く貧困層(ワーキングプア)は1億5000万人を超え、国際労働機関(ILO)も深刻な懸念を発信している。
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  この深刻な危機の影響は、若者たちに不公平と不平等をもたらしている。
 日本でも若者たちの間に失業と雇用不安が拡大し、非正規雇用の割合は2011年35.2%と過去最高を記録した。
 “正規雇用が「保護」されすぎているから企業はリストラできず、結果として非正規雇用が拡大する”との論議は誤りである。
 企業は非正規雇用を拡大することで、労働者へ低賃金(下請業者へは低単価)を押し付け、企業の社会的責任を放棄して利益追求・内部留保増大に走っているからだ。
 社会保障財源の国際比較からみても、日本の企業はヨーロッパ並みの社会責任を果たしていない。
 
 ● 社会保障財源の国際比較(保険料)

事業主負担本人負担消費税負担 その他の税負担その他
日本 26.9%29.7%    8.6%  23.6% 11.2% 
イギリス     32.4 11.410.9 38.56.8
ドイツ      34.928.210.8 24.2  1.9
フランス43.820.85.5   26.5 3.4
イタリア40.216.08.5 33.81.5
スウェーデン37.79.813.236.42.9

                                                                                              企業・国家の社会的責任からみると、日本は企業(事業主負担保険料)も国家(税負担)も最低で、本人負担(労働者負担保険料)は最高である。
 この世界の先進諸国の状況を無視し、「税と社会保障の一体改革」と称し、国民負担を際限もなく増大する野田民主党内閣は、まさに無慈悲の悪代官と同質である。
 労働賃金についても唯一国、日本だけが大幅に減少している。

  後期高齢者医療保険料も大幅な値上げ

 75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療保険制度の保険料が4月から大幅に値上げされる。
 値上額の大きいのは東京都の8,731円(10.3%)増で、年間保険料は9万3258円にもなる。
 後期高齢者医療保険制度の保険料は、各都道府県の広域連合で2年ごとに改定される。75歳以上の人口と医療費の増加に伴って際限なく値上される仕組みとなっている。
 民主党政権は公約で「後期高齢者医療保険制度」の『廃止』を掲げたが、同党の公約はことごとく破り捨てられた。
 後期高齢者医療保険料の値上のほか4月からは、「介護保険料」も引き上げられ、一方、『年金額』は引き下げられる。
 福島原発事故における東京電力の対応 ・・・ 補償は難くせをつけ支払を渋り、電気料金の値上は権利だと強行する ・・・ に批判が集中しているが、民主党政権も「生活が第一」「八ツ場ダムの中止」「後期高齢者医療保険制度の廃止」などの公約をことごとく投げ捨て、公約にない「税と社会保障の一体改革」「消費税増税」などと暴走している。
 「若者への雇用拡大」・「後期高齢者医療保険制度の廃止」・「賃金引上げと消費経済の拡大」・「所得再配分と社会保障」は、若者・高齢者・日本社会にとって待ったなしの課題となっている。

  生活に不安 ・・・ 消費者心理悪化

 内閣府が3月12日発表した2月の消費動向調査によると、半年後の暮らしの明るさを示す消費者態度指数(一般世帯、季節調査値)は、39.5と前月比0.5ポイント低下した。
 給与世帯を中心に暮らしの先行きに懸念が強まっている。
 懸念材料では、 ・「収入の増え方」が0.6ポイント ・「暮らし向き」が0.2ポイント ・「雇用環境」が1.1ポイント低下と賃金、暮らし、雇用が最大の生活不安になっていることを示している。 若者も、高齢者も、社会もむしばんでいる。
賃金・暮らし(生命)・雇用を改善し、人間が人間らしく生きていける日本経済、日本社会を築くこと今求められている。