確定申告の申告期限と納付日関係
◆申告所得税…納期限3月17日(月)振替日4月23日(水)延納6月2日(月)
◆消費税………納期限3月31日(月)振替日4月30日(水)延納なし
注意点
<注意点A=定額減税>
A1・ 定額減税の処理が必須です。本人の合計所得金額が1,805万円以下、同一生計配偶者・扶養親族の合計所得金額が48万円以下が対象です。把握と記入を確実に行ってください。各人の所得金額、国外居住等の判断とチェックを忘れずに。判定時期は12月31日。死亡している場合は死亡時の現況。
A2・ 合計所得金額は、給与所得や事業所得に、分離譲渡所得がある場合は特別控除前、各種の繰越控除がある場合には繰越控除前、退職所得金額(申告不要でも加算)などの合計となります。
例えば月次定額減税実行済みの給与所得者が土地等を譲渡して合計所得金額が1,805万円超となる場合があります。その時は定額減税が対象外となりますので、月次定額減税分が配偶者や扶養親族分も含めて確定申告において追加納付となります。この場合、配偶者や扶養親族は第2表の記載から「調整給付金」の対象となります。
A3・ 青色・白色事業専従者は対象になりません。ただし、青色専従者の場合は次の取扱いとなります。
6年中を通じて給与の支払いを受けていない場合は青色申告者の配偶者や扶養親族として定額減税を適用します。
青色専従者が所得控除以上の所得金額があるなどにより、定額減税前の所得税額がある場合には、青色専従者自身の申告等で定額減税の適用を受けることになります。不足額は「調整給付金」の対象となります。
一方、青色専従者が給与の支払いを受けていても、所得税や住民税の対象にならない場合は、「調整給付金」として不足額が支給されることになります。
市町村から確認書が郵送されることになっており、それに返信することで給付金が受け取れます。
A4・ 給与と年金の源泉徴収税額の両方で定額減税を受けているだけをもって確定申告義務は生じません。
A5・ 予定納税で定額減税実行済み、年金で定額減税実行済みなどがありますので、給与の源泉徴収票に加えて、予定納税や年金源泉徴収票はよくチェックして漏れがないように注意してください。
A6・ 確定申告書第1表の㊹が定額減税に関する欄です。該当する場合は「人数」と対象者の合計数に3万円を乗じた金額を記入します。漏れがないようにしてください。
<注意点B=全般>
B1・ 配偶者控除や基礎控除など、所得制限があるものについては、上記の合計所得金額で判定しますので注意してください。
B2・ 各種の特例や税額控除の適用を点検し、漏れがないようにしてください。適用する場合は各種明細書・内訳書の添付と適用条文の第2表記載を忘れずに。
B3・ 確定申告期限が令和4.1.1以後となる所得税の確定申告については、申告義務がある還付申告書はなくなり、最終的に還付となる場合、確定申告義務はないこととされました。よって、還付申告書(確定損失申告は除く)は提出をできる日から5年間に限って提出することができるということに変わりました。
したがって、令和元年分の還付申告書の提出は令和2.1.1ができる日となり、そこから5年間の期限は令和6.12.31となります。よって、すでに期限が徒過していますので注意してください。
ただし、年の途中で死亡した者のその年分の還付申告書については、死亡日の翌日から5年間となります。
B4・ 住宅借入金等特別控除は制度が大きく変わっていますので要件を確認してください。
B5・ 医療費控除は例年と同じです。
B6・ 青色特別控除65万円適用は期限内申告とe-Taxが要件となります。
B7・ 消費税については、「2割特例」対象者は有利不利を判定して「2割特例」を確実に処理してください。
B8・ 簡易における委託販売業の業種区分は4種。委託販売手数料が対価となります。
B9・ 不動産貸付業で課税事業者の場合、借主が退去するときに敷金・保証金から差引いた原状回復費は課税売上となります。
B10・ 事業用建物の貸付で建物と敷地を区分して対価を設定した契約書を作成した場合でも、敷地分は非課税とならず、対価の合計額が課税売上となります。
B11・ 確定申告書の第1表では「区分」と表示している欄があります。また、第2表の「配偶者や親族に関する事項」に「空欄」があります。これらには該当する番号数値をそれぞれ記入することになっています。
何を記入するのかは、国税庁が発行している(HPにも掲載有)「令和6年分・所得税および復興特別所得税の確定申告の手引き」に記載されていますので、それを参考にしてください。一覧表が用意されておらず、注意深く探す必要があって、なんとも不親切な手引きですが忘れずに。
と、ざっくりした令和6年分の確定申告書のポイントを掲載しました。無駄な税金を納付したり、還付を受けるべき税金の取り戻し漏れがないように。また、調査で否認されますと加算税や延滞税の負担が増しますので、事業や不動産所得などの該当者はしっかりチェックして確定申告してください。