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 安倍首相は1月28日の施政方針演説で、今年10月1日から消費税率を10%に引上げることが「どうしても必要だ」と強気の姿勢を示しました。
 しかし、ことは単純ではありません。
 実体経済の不況感と、米中の貿易戦争や英国のEU離脱によるグローバル経済の不透明感から、消費不況に拍車をかける税率引上げは日本経済に大きな打撃を与えかねず、強気の政権も最終判断を予算成立後の4月に行うと先延ばしせざるを得ない状況です。
 だからといって、様子見をしているわけにはいきません。
 消費税増税と複数税率導入で直接的負担を蒙る事業者にすれば、増税対策の遅れが事業に支障を招くことになりますので、引上げが強行された場合に備えることが求められています。
 本来、政府や関係機関である税務署・地方税当局が懇切丁寧に全事業者に説明し、増税対策を政府責任で進めるべきですが、すべて事業者に押し付けているのが実態です。
 そこで、当事務所としましては受任しているお客様に次の文書を送付するとともに、各担当者が説明と協議を行い増税対策に臨むことにしています。
 このホームページでもその文書を公開しますので、参考にしていただければと思います。

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                                             2019年2月吉日

 各 位

                                税理士法人 宮澤税務会計事務所
                                  所沢事務所 ☎04-2998-0666
                                  越生事務所 ☎049-292-7788

              消費税増税に備えるご案内

 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、2019年度予算案を巡る国会審議が行われておりますが、消費税増税に向けた政策予算が成立しますと、今年10月1日からの引上げ実施が加速すると思われます。
 景気動向や選挙結果の関係でまだ流動的とはいえ、事業者としては消費税率10%引上げ・複数税率導入に向けた準備しなければなりません。
 そこで弊事務所としましては、みなさまの対策が遅れたり混乱することがないよう、連絡を密にして万全を期すよう対応してまいりますので、どうかお気軽にご相談くださるようご案内いたします。

 なお、税率引上げ・複数税率導入について、いくつかの注意点がございますので、ご一読をお願いします。

1, 今年10月1日から「区分記載請求書等保存方式」に移行します。
 食料品などの軽減税率適用品の取扱事業者に限らず、免税事業者も含めて、全事業者が請求書や領収書を「区分記載請求書」の様式に改定する必要があります。
 様式やソフトウェアなどの改定にあたりましては、4年後に実施予定のインボイス方式を取入れて改定すれば二度手間となりませんので注意が必要です。
 この改定について相談していただければと思います。

2, レジを使用されているみなさまは、複数税率対応型のレジとするのか、現行レジをそのまま使用するのかを検討する必要があります。
 対応型のレジにする場合は購入費・改修費に対して4分の3の補助金が受けられます。その場合、購入・改修は今年の9月30日までに完了したうえで、12月16日までに補助金の申請しなければなりません。
 期限等がありますので、相談していただければと思います。

3, 5%から8%への引上げのときと同じように、経過措置があります。
 工事の請負等について今年の3月31日までに契約しますと、着工や引渡しが10月1日以降であっても8%の税率となります。売手は課税売上が8%での申告となり、買手は消費税の負担が2%得しますから、この経過措置を使うと売手・買手ともに有利です。
 契約にあたりましては、期限があること、契約内容に一定の注意が必要なことがありますから、経過措置を適用する場合も相談していただければと思います。

4, 消費税の課税事業者で原則課税となっているみなさまは、仕入税額控除に関して注意が必要です。
 例えばコンビニで弁当と事務用品を購入した場合、弁当は8%、事務用品は10%の税率の消費税額となり、レシートには区分された税額が表示されることになっています。コンビニの買い物を単純に10%で処理しますと、調査で否認されることになります。逆にすべて軽減対象として8%とすると納税額が高くなり損をします。
 この例のように、税率ごとの消費税額を区分できなければ正確な消費税額が算出できなくなりますので、明細の分かる証憑類(区分記載請求書)の保存が仕入税額控除のより厳しい要件となります。
 なお、クレジットカード一覧明細表は単なる通知であり、区分記載請求書に該当しません。クレジットカードでの買い物の場合はその買い物ごとの区分記載請求書を受取り保存しなければなりませんので、ご注意ねがいます。

5, 4年後の2023年10月1日からはインボイス方式(適格請求等書保存方式)に移行します。インボイスは登録事業者しか発行できず、免税事業者は登録事業者になれません。
 2年後の2021年10月1日から登録申請書の受付が始まりますが、まだ時間的余裕がありますので、この点については改めてご案内し相談の体制をとりたいと考えております。

 以上、当面の注意事項をお知らせしましたが、疑問点などありましたら何なりとご相談くださるよう、よろしくお願いします。