講演 ・ 大淵博義中央大学名誉教授
全国税制懇話会の2018年春全国季研究集会は、大阪市の「KKRホテル大阪」で開催します。 | 大淵名誉教授 前々回の講演風景 |
「実践・税務調査への対応」 分科会
全国税制懇話会・全国集会は、国税OBが多数集う集会ならではの特性を生かし、法人・個人(所得)・資産の三分科会で、「実践的な税務調査への対応」を大いに議論し合い、調査を乗り切る糸口を探ります。この企画は、前回の好評を受けて2回目となしますが、さらに工夫を凝らし、「より実践的に」を重視します。
税務調査が強権的・重加算税偏重傾向が強まる中、目玉となる企画としています。
「実践的な税務調査への対応」の目玉として、より実践的な調査への対応をとことん追求するため法人・個人(所得)・資産の三分科会としました。
国税通則法の改正・実施(平成25年)がされた当時は、税務調査の事前手続(通知等)、調査の予見可能性・透明性が担保され、税務調査も慎重に行われた感がありましたが、・・・ 最近の調査は、国税局ごとのバラツキや、強権的で、重加算税偏重への傾向が強まっています。
調査手続の瑕疵を指摘すると、非協力税理士のレッテルを貼り、国税局挙げての対応となっています。 また、すぐに法的根拠のない『質問応答記録書』=納税者の署名・押印(刑事事件の自白調書)を聴取し、手っ取り早く自白証拠を固め、「納税者が脱税を告白している」と重加算税の賦課要件(通則法68条)を一方的に拡大解釈し、恣意的に重加算税を賦課する事例が多発しています。
そんな行政機関だから、佐川氏が国税庁長官になっても不思議はないかも ?
「税務行政」・「税務調査」 の劣化
行政(官僚)による公文書の改ざん・隠ぺい・虚偽答弁が横行するなか、つぎの様な事例が報告された。
関与税理士に対して、クライアントの帳票類の提出状況が税務調査官の意に思わしくない。 提出が遅れるといった問題点をとらえ、「税理士に適切な書類の提出がなかったことは『隠ぺい』に当る」として、「重加算税」を賦課してきた。
その証拠として、関与税理士から「質問応答記録書」を徴し、『隠ぺい』の証拠(証人)としてきた。 <税理士を「質問応答記録書」の対象として聴取するなど前代未聞である。 税理士が質問応答記録書」を聴取されクライアントの脱税の承認にされるなども前代未聞である。> ・・・ 納税者の立場に立つべき税理士を重加算税の賦課要件を証明する行政側の証人に仕立てる手法。 あってはならない禁じ手である。
【税理士法第一条】 (税理士の使命)
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
この事例の問題点は、税理士のあり方、税理士制度の根幹に触れる調査手法で、かつ、最高裁判決(平成7年4月28日)を拡大解釈するもので、到底、容認できる調査とはいえない。
こうした理不尽な調査が横行している今こそ、こうした「実践的な税務調査への対応」分科会が求められています。
参加者の皆さんが可能な限りの調査事例を持ち寄り、全国税制懇話会ならではの豊富な税務調査経験を議論し、解決への糸口を探りましょう。
全国研究集会のご案内
<開催概要>
日程 2018年4月8日(日) 13時開会 ~ 9日(月) 12時閉会
場所 KKRホテル大阪 大阪市中央区馬場町2-24
℡06-6941-1122 fax06-6941-5509
アクセス JR新大阪駅(新幹線)→大阪駅→森ノ宮駅(徒歩10分)
費用 17,000円(宿泊費、夕食兼交流会費、講師代、資料代含む)
<開催日程>
第1日目 (4月8日)12:00受付開始
13:00~13:45 開会・2018年定期総会
・経過報告及び方針
・決算及び監査報告、予算
・その他
13:50~15:50 メイン講演
中央大学名誉教授 大淵博義先生
「税務訴訟における非上場株式の評価をめぐる論点 ~最近の判例を中心に」
16:00~17:00 税務現場からの報告
18:00~20:00 交流会・夕食(近畿ブロック)
第2日目 (4月9日)
9:00~11:20 実践・税務調査への対応
・法人課税分科会
・個人課税分科会
・資産課税分科会
11:30~12:00 全体会議
・分科会の概要報告
・参加者の感想
・その他
・閉会
<税制懇ニュースより転載>