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証拠隠滅で 特捜主任検事逮捕

 大阪地検特捜部の主任検事が、証拠として押収したフロッピーディスクを改ざんしていた事実が発覚した。しかも、裁判中の事件で、被告は当初より無実を主張していた事件でのことである。
 障害者割引郵便制度の悪用に絡む厚生労働省の偽証明書発行事件でのことである。
 被告とされた村木厚子同省元局長は当然無罪判決とされた。
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 刑事裁判では、証拠に基づく事実認定でのみ審理がすすめられ、判決が下される。
 その証拠の部分がねじ曲げられたり、隠滅されたり、都合の悪い取調べメモが廃棄される。しかも、摘発する検事の側が行ったのでは正確な判断はおろか、冤罪を権力が作り出すことになる。
 正義と信じている検察が、自分の都合よくストーリーをゆがめ、証拠を隠蔽、改ざん、ねつ造していた事実。国民が高い関心をもつことは当然といえる。
 データの改ざん。「遊んでいるうちに、誤ってやってしまった。」・・・これがエリート幹部の言い訳としたら・・・子供だましにもならない言い訳、こんな社会的に幼稚な人間が国家権力の中枢でエリート扱いされていたのかと思うと鳥肌が立つ思いである。
 水戸黄門の新シリーズが今秋よりテレビ放送されるが、“悪代官! この(国民の)印籠が目に入らぬか!”と言いたいものである。

  事実のデッチ上げ ・・・ 国税不服審判所

 この事件は、単に一検察、一主任検事だけの問題か考えさせられることがある。
 当職の扱った国税不服審判事案でも同様のことがあった。
 もとより国税不服審判所は、納税者の権利と救済、公正な審理と裁決を目的としている。
 当職ホームページ「事務所かわら版」9号(7月1日付)で、“国税不服審判所が事実をねつ造?・・・事実も正義もお構いなし”・・・で報告したが、当該事案の審理中にはまったくなかった事実が、裁決書の中にいきなり出され、しかも、裁決の最も重要な証拠事実と認定され、よって、「納税者の請求は棄却する。」とされた審判である。
 さらに、裁決内容では、“調査官が納税者宅を退席し、帰署するまで、当局主張では2時間以上の空白がある。職務放棄に該当するが、調査官の勤務時間管理簿を明らかにせよ。”との要求には都合が悪いのか全く答えない審判である。
 国税不服審判所担当官は、当職の「その事実は審理中一度も出されていない。」「そのような事実があったのなら、審理中に証拠としてなぜ出さない。」「審判所のデッチ上げではないか。」「調査官の職務放棄の問題は調査したのか。」「税務当局と審判所が結託し、都合のよいストーリーにするため、何もない事実をデッチ上げ、都合の悪い事実は頬被りし、棄却ありきにしただけではないか。」の抗議に対し、「裁決書に書いてあるとおりです。よくお読みください。」と一切の反論を受け付けないものであった。

  税務は調査か? 犯罪の捜査か?

 先日、税務調査に関し知人の税理士より次のような話があった。
 関与先の美容院に税務上席調査官ら2名が事前通知なしにいきなり調査に臨場した。
 美容院は新規オープンの店(2店舗目)であり、懇意なお客様を予約で接待していた。
 調査官らは、「来店中のお客は帰させろ。」「予約のお客はキャンセルしろ。」と執拗に迫り、店主はやむなく全てのお客様をキャンセルした。
 連絡を受けてかけつけた税理士は店内で猛抗議、小競り合いとなった。
 小競り合いに対し調査官は、「暴力事件だ!」「公務執行妨害だ!」とわめき、税理士を恫喝した。
 店主も税理士も理不尽な調査に怒りは収まらず、税務署に抗議した。という話である。
 税務調査は申告内容の検査であり、任意の調査である。「納税者の理解と協力を得て、任意に行うものである。」「犯罪捜査権としてはならない。」が基本である。
 この基本中の基本をわきまえない税務調査官。基本をわきまえない検事。基本をわきまえない公務員が権力を持ったとき、私たちはどう防衛したらよいのか考えさせられる事件である。
 自分の醜態を省みず相手を責める。自作の筋書きに都合よく添い寝させる。魔術にかけられそうな怖さを持つ権力の言動。力関係は絶対だ。権力の曲がった面に毅然と対抗した村木厚子氏には敬意を表したい。