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     控除(申告)漏れは、税金を多く負担されます 

  2012年も余すところ1ヶ月となりました。
事業者の年末の大きな仕事として、給与の「年末調整事務」があります。同時にサラリーマンにとっては「年末調整」は所得税の確定申告ともいえる重要な制度となっています。
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 24年分の「年末調整」にあたり、特に注意しなければならない点、今年分の改正点を列記しましたので参考にしてください。

 「年末調整」は、給与の支払いを受ける1人1人について、毎月の給与支払いの際に源泉徴収した税額と、その年の給与・賞与の総額について計算した税額(年税額)とを比較して、その過不足額を精算する給与所得者の確定申告ともいうべきものです。
 大部分の給与所得者は、この「年末調整」でその年の所得税の計算と納税が完了し、改めて確定申告をする必要のない重要な手続きです。


   特に注意しなければならない点

 年末調整に当たり、特に注意しなければならない点は「扶養控除等(異動)申告書」です。(扶養控除の対象となるか、「年齢」と「所得」に気を付けましょう)
● 年齢制限
  平成9年1月2日以降に生まれた人は「控除対象扶養親族」に該当しません。
  ・平成9年1月2日以降に生まれた親族・・・・・・・・・控除額    0円
  ・平成9年1月1日以前に生まれた親族・・・・・・・・・控除額  38万円
  ・平成2年1月2日~平成6年1月1日の生まれの親族・・控除額  63万円
  ・平成18年1月1日以前に生まれた同居の老年者の親・・控除額  58万円
  ・平成18年1月1日以前に生まれで同居老親以外の親族・控除額 48万円
      *「扶養親族」とは、6親等以内の血族と3親等以内の姻族です。
● 所得制限
  扶養控除の対象となるか否かには「所得制限(合計所得金額38万円以下)」があります。
    ・給与(パート・アルバイト)だけの場合は、年収108万円以下
    ・事業を行っている場合は、収入金額-必要経費=38万円以下
      *毎年「控除扶養親族」に該当しないと税務署から通知を受け追徴金を課税される例が多発しています。控除対象と申告する親族の「所得」は正確に確認しましょう。
● その他
  ・平成24年中に「出生」「就職」「結婚」「離婚」「死亡」等の異動
  ・「寡婦控除」は「死別」「離婚」「生死不明」等の条件で控除金額が異なります。
    *「老年者控除」廃止に伴い1人寡婦該当者は多く見受けられます。
  ・「家庭介護」をしている親族は、「(特別)障害者控除」に該当する場合があります。

   今年分「改正」された点

 「生命保険料控除」は、一般の生命保険料・個人年金保険料および「介護医療保険料」の3種類に区分されました。これまで一般の生命保険料に含まれていた「介護医療保険料」が独立して控除の対象になりました。2012年1月以降に新規に加入した人は特に注意してください。
    ・2012年1月以降の新契約の生命保険の場合
一般の生命保険料控除額・・・最高4万円
     個人年金保険料控除額・・・・最高4万円
     介護保険料控除額・・・・・・最高4万円
    ・2011年12月以前の旧契約の生命保険の場合
一般の生命保険料控除額・・・最高5万円
     個人年金保険料控除額・・・・最高5万円
      *生命保険料は、一般保険分個人年金分及び介護保険分との区別が必要です。・・・証明書添付が必要
       (一般の生命保険料)(個人年金保険料)(介護医療保険料)は、証明書に表示してあります。

   その他・・・控除申告漏れのないように

    ・社会保険料は、給与天引きのほか、個人で支払っている国民健康保険料・介護保険料・国民年金等も該当します(扶養家族の分も該当します)。・・・証明書の添付を必要とします。
    ・中途採用従業員は、前会社の「平成24年分源泉徴収票」を添付してください。
    ・住宅借入金等特別控除該当者は、税務署からの「控除証明書」と銀行からの「残高証明書」が必要です。
*「住宅借入金等特別控除」の適用を今年(初年分)受ける方は、年末調整はできません。税務署への確定申告が必要です。
*「医療費控除」の適用を受ける方は、年末調整はできません。税務署への確定申告が必要です。
   医療費は「家族全員」のすべての医療費を「1人」で申告できます。また、同居以外の親族の医療費も支払っている場合はまとめて申告できます。
   領収書をしっかりと集めてください。

   復興特別所得税が増税されます

25年1月からの「源泉徴収税額(月額表)」は変更(復興特別所得税が増税=2.1%
=25年間)されます。(「源泉徴収税額(月額表)」は増税された額が表示されています。)
 地方税の復興特別住民税(年1,000円)は、25年6月から10年間です。
 給与以外の報酬等の源泉所得税にも復興特別所得税が増税されます。1月支払以降の源泉所得税計算は注意してください。
    ・消費税(税込)で源泉所得税を計算している場合(報酬10万円の例)
      (税込報酬額=100,000円の例)
      100,000円×10%+(100,000円)×2.1%=10,210円(預り源泉所得税)
      100,000円-10,210円=89,790円(支払額、内消費税4,761円)
    ・消費税(税抜)で源泉所得税を計算している場合(報酬10万円の例)
      (税抜報酬額95,239円+消費税4,761円=100,000円の例)
      95,239円×10%+(95,239円)×2.1%=9,723円(預り源泉所得税)
      100,000円-9,723円=90,277円(支払額、内消費税4,761円)