山本 守之税理士の講演 定評のある素晴らしいお話をたっぷりと | 山本守之先生の講演を 熱心に聞きとる参加者 |
懇親会で 楽しく交流 各地の自慢話と情報交換も | 初参加の方を含めて 近況報告 北海道から参加したみなさんです |
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メイン講演 ・ 山本守之先生
全国税制懇話会・2012年秋季研究集会は、平和都市「広島」に北海道から沖縄までの仲間91名が参集し、10月14~15日開催された。
政治が全く機能していない中「税・社会保障の一体改革」のもと、増税と社会保障の切り捨てのみが強化され、国民総貧困化が進んでいる。
税務行政の分野では、増税に対応すべく執行体制が強化され、国税通則法の改正(税務調査手続の法制化)、納税者への記帳義務導入といった義務と罰則が強化され、滞納問題に至っては容赦ない差押え処分の強行と強権指向が強まっている。
このような状況のもと秋季研究集会は、第1日目は、山本守之先生から「判決・採決からみた法解釈基準」「消費税の今後」と題して2時間の講演。つづいて「税務の現場からの報告」・「カナダ税制視察報告」(浅井優子会員)を受け、夜の懇親会(中国ブロック主催)へ移った。
第2日目は、実践報告として ①新国税通則法の試行税務調査(堂本道信会員) ②徴収行政の在り方と租税徴収手続の実務(角谷啓一会員) ③更正を予知しない修正申告(石塚幹雄会員) ④事業所得か給与所得か(岡田俊明会員)の報告を受け全日程が終了した。
山本守之先生から終了前、「税理士は代理人たる法的地位におかれていない。単なる納税者の補佐人程度である。税理士はもっと勉強して名実ともに地位の向上にむけガンバレ・・・」と激励・苦言を頂戴した。
また秋季研究集会に先立つ13日に全国理事会が開催され、6ヵ月間の総括と今後の行動計画が確認された。
行動計画では「民主的・自主的・主体的な税理士の集団として税財政および税務行政を中心に研究・情報を深め、組織拡大と相互の協力・交流を強化する」ことが確認された。
春季研究集会は、名古屋ブロックで来年4月開催することも決定した。
「公開講座」 ・・・ 東京税財政研究センター
活きている最高裁判例
新たに法制化された税務調査手続は ①税務調査の事前通知 ②税務調査終了手続の2点である。
従来曖昧で抽象的規定(旧・所得税法234条)で課税庁に自由裁量を認めたかの「質問検査権」であった。しかし最高裁はこの規定に対し「所得税法234条1項の規定は、国税庁、国税局または税務署の調査権限を有する職員において、当該調査の目的、調査すべき事項、申請、申告の体裁内容、帳簿等の記入保存状況、相手方の事業の形態等諸般の具体的事情にかんがみ、客観的な必要があると判断される場合には、前記職権調査の一方法として、同条1項各号規定の者に対し質問し、又はその事業に関する帳簿、書類その他当該調査事項に関連性を有する物件の検査を行う権限を認めた趣旨であって、この場合の質問検査の範囲、程度、次期、場所等実定法上特段の定めのない実施の細目については、右にいう質問検査の必要があり、かつ、これと相手方の私的利益との衡量において社会通念上相当な限度にとどまるかぎり、権限ある税務職員の合理的な選択に委ねられているものと解すべく、また、暦年終了前または確定申告期間経過前といえども質問検査が法律上許されないものではなく、実施の日時場所の事前通知、調査の理由および必要性の個別的、具体的告知のごときも質問検査を行ううえの法律上一律の要件とされているものではない。」(最高裁三小昭48.7.10)とした。
すなわち、「必要があるとき」とは「客観的必要性」が求められ、調査の展開は、「調査の必要」と「納税者の私的利益」との「衡量において社会通念上相当な限度」の範囲内で認められるとされた。事前通知等「法律上一律の要件」とされていなかったものが、今回具体化されたものである。
● 平成24事務年度(24.7~25.6)の事務運営にあたり特に留意すべき事項は、国税庁の事務運営における基本的な考え方、問題点等が石塚幹雄会員から報告された。
● 滞納対策のための「差押え !」発刊については角谷啓一会員から本の内容と滞納問題をめぐる情勢が説明された。
― 「差押え !」 ―
不可能な納税の強要、強引な差押えで後を絶たない自殺や餓死
滞納の元凶・消費大増税が強行される中、滞納処分の在り方を世に問い、滞納対策と滞納者の権利をさし示した一冊。
元トッカン(特別国税調査官)が納税者の視点で著した初の滞納対策の手引書
編著 東京税財政研究センター
監修 中村芳昭 青山学院大学法学部教授
宮澤税務会計事務所においても普及に取り組んでいます。
越生事務所までFAX(049-292-7789)でお申込みください。定価2000円。