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 読まれた方もいると思いますが、ロイターが報じた記事をまずは読んでみてください。

[パリ 6月23日 ロイター] 化粧品大手ロレアル創始者の遺族やエネルギー大手のトタル代表など、フランスの富豪らが23日、国の財政赤字削減を支援するため、高額所得者への増税を政府に要請した。
 週刊誌ヌーベル・オプセルバトゥールのウェブサイトに掲載された嘆願書は、企業首脳やビジネスリーダー、個人ら16人の連名で、同国の富豪らを対象にした「特別貢献税」の創設を提唱。海外への租税回避をさせない仕組みが必要だとしている。
 この嘆願に賛同したのは、ロレアル創始者の娘リリアン・ベタンクールさんやトタルのクリストフ・ドマルジェリ最高経営責任者(CEO)のほか、エールフランスKLMのジャンシリル・スピネッタCEOなどで、「われわれはフランスの制度と欧州の環境から恩恵を受けていることを理解しており、その維持に一役買いたいと望む」と訴えた。
 国債の格下げ観測も浮上しているフランスでは、政府が財政赤字の削減目標を達成するため、高所得者向けの増税や住宅関連税制優遇の縮小、企業向け税控除の縮小などを検討している。


 なんとも人間の格が違うというのか、本当の富豪はかくあるものというのか、思わず感心してしまいました。イギリスでおきた暴動などの影響もあるのかもしれませんが・・・
 日本でも震災被害に対して、ソフトバンクの孫さんや、ユニクロの柳井さんが多額の寄附をしたと報じられています。
 しかし、国の財政赤字という政策上の結果に対して、自分たちが恩恵を受けているので税金を余計に払うことで恩返ししたい、しかも海外への租税回避をさせない仕組みを作れともいっているのですから、いろんな人たちに聞かせたいですね。

 法人税をあげると海外に逃避するぞと脅す=財界
 息子を海外(香港)に居住させて贈与税逃れ=武富士
 実母から毎月1,500万円の贈与を受けても無申告=鳩山元首相
      (本ホームページ「トピックス15」に詳細記事)
 
 例をあげれば出るは出るは・・・・なんだかおぞましい日本の金持ちたち。聞く耳も持たないのでしょうね。

 復興財源にひとつの糸口

 震災復興が一向に進みません。金と人をつぎ込んでいないのですから、当然です。政府は復興財源として10兆円規模の第3次補正予算を組んで秋の臨時国会に提出するとしていますが、財源をどうするのかで難航が予想されています。
 復興への提言では所得税など基幹税の増税をいっていますが、民主党の政策に影響力をもつといわれている森信中央大学教授は、所得税・法人税の引上げについては付加税方式(湾岸戦争支援の臨時特別税がこの方式)がよいのではないかといいつつ、10%の付加税で2兆円程度にしかならないとはじいています。これではとても足りないというわけです。森信教授は増収効果があるのは消費税(4%の引き上げで10兆円)、固定資産税の超過課税は資産家への課税となり国民的にも受け入れやすいのでないかとあれこれ述べています。
 しかし、富豪に対する特別税や大企業の内部留保(300兆円といわれている)に特別税を課すことには一切触れていません。
 野田さんが新首相になりました。大衆増税に走る恐れ十分です。
 日本の富豪の皆さん、政府の皆さん、フランスを参考にできませんか?