日本は、仕事をしている人の8割が給与所得者(サラリーマン)と言われています。
では、サラリーマンのどれだけの人が「源泉徴収票」を読めるでしょうか...?
そもそもサラリーマンの税金計算・納税手続を支える源泉徴収制度は、ナチス・ドイツが戦費調達の目的で生み出した制度であります。(源泉徴収制度は、諸外国でも採用している国は多い。)
しかし、「年末調整」(納税者に成り代わり、1年間の税金の計算を勤務先が行うよう義務づけている。)を義務づけている国は日本独自のものであり、世界的にはほかに例がありません。
日本のサラリーマンは、何も考えずに税金計算と納税手続を終えることができますが、それが先進国でも、とりわけ日本のサラリーマンの納税意識を希薄にし、税金の使われ方・政治への意識を無関心にさせられています。

源泉徴収「票」は、源泉徴収「表」ではありません。これは単なる数字の「表」ではなく、重要な『証明の記録』(自分は確かに源泉徴収により勤務先を経由して納税を完了していることを示す『証拠』=『証票』)だからです。

サラリーマンは原則「確定申告」を必要としませんが、確定申告をすることで所得税の還付を受ける場合は、『源泉徴収票』がすべての出発点となります。
年の中途で退職した場合、医療費控除を受ける場合、住宅(取得)借入金等特別控除を受ける場合、火災や災害を受けた場合、勤務先で年末調整をしてくれなかった場合や年末調整を誤った場合等、源泉徴収票がなければ確定申告で所得税の還付申告ができません。

年末調整が終わると手渡される源泉徴収票は税金の還付を受ける際の証票となりますので大切に保存し、読めるようにしましょう。

それでは、源泉徴収票をどう読んだらいいのでしょうか?
所得税がどう計算されているかを理解しましょう。

  1. 支払金額=1年間の収入(年収)です。
  2. 給与所得控除後の金額=サラリーマンの経費を差し引いた所得(利益)金額です。差額がサラリーマンの経費となります。
  3. 所得控除の額の合計額=その人の生活事情の控除額の合計額です。配偶者や扶養家族・障害者の控除、社会保険料や生命・地震保険料の控除額等の合計額です。
  4. 源泉徴収税額=給与所得控除後の金額から所得控除の額の合計額を差し引いた金額(課税される所得金額)に税率を掛けたのが源泉徴収税額です。