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未熟なのではなく、考えが及ばない菅首相

 所沢市の航空公園駅東側の一角は、国・地方自治体の庁舎が集中している官庁街である。
 4月末にいくつかの官庁に出向く用があった。所沢市役所、県税事務所、警察署は半旗が掲げられていた。所沢税務署は半旗ではなく、最上部まで国旗が掲揚されていた。
 同じ官庁なのに、対応の違いは一体どうしたことか。
 首相や官房長官などが記者会見に臨むとき、壇上の国旗にお辞儀をする姿が毎日のようにテレビ放映される。お辞儀する姿に毎回違和感を覚えるが、壇上の国旗も最上部にしつらえている(4月末)。
 日本では、国家において半旗を掲げるべき事象や期間を明文化した規定はない。内閣の決定や各省庁の申し合わせにより国の機関において実施したり、関係機関に協力を依頼して実施している。
 

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 国として半旗を掲げる申し合わせをした事例として、昭和天皇の大喪の礼が記憶に残っているが、3月11日に発生した東日本大震災に関しても、発生から1ヶ月間全省庁的に半旗を掲げる指示が出され、実施された。
 震災1ヵ月後の4月11日、死者1万2千人、行方不明者は1万4千人と報道されている。「フクシマ」と全世界用語になった東京電力福島第一原発の放射能もれ・人災によって、野晒しのままになっている遺体や、仙台・三陸地方の瓦礫の下に埋もれている遺体が数多くあるというのに、国の機関は4月12日から半旗の掲揚をやめてしまった。
 所沢市官庁街の国旗掲揚のチグハグさは、さっさと元に戻した国の機関と、犠牲者に弔意を示し続ける地方自治体の考え方の違いが如実にでたものだ。
 報道されているように、任務を全うするなかで多くの自治体職員・警察官が犠牲になった。壊滅的ともいえる犠牲者を出した自治体も多い。確認された死者よりも行方不明者のほうが多い自治体も多い。捜索はまだ続いており、犠牲者が次々と確認されている。4月27日現在、死亡者14,517人、行方不明者11,432人(届け出のあったもの)である。未曽有の被害はまだ全貌も把握できず、被害は終息していない。
 4月27日には、天皇ご夫妻が現地を訪れ、弔意を示された。
 このような状況下にあって、内閣の杓子定規なふるまいには情けなさを通り越し、憤りを覚える。同時に、この内閣の心根が透けて見える。
 「イラ菅」が国会で未熟さを陳謝したというが、この内閣はすべてがチグハグ。国民こそがイライラしている。そのことすら分からないか?!