職場で、全職員の共通認識に
最早、誰が、どこで発症してもおかしくない新型コロナウイルス感染症。
当事務所も職員の家族が濃厚接触者になる状況が何例か生じ、事務所として対応を迫られる事態が起きています。
幸い、濃厚接触者に該当せず、いまのところ感染者はゼロできています。しかし、こうした事態を受け、職場としてコロナ感染症対応マニュアルを確立しておく必要が痛感されました。
そんな時、知人から「長野産業保健総合支援センター」が対応マニュアルを提供し、役立てほしいと呼びかけているという情報をいただきました。
早速入手し、当事務所用に手直しして全職員に配布し、対策を徹底することにしました。手直しするところはごく一部で済む程度であり、利用度は大変高い内容になっています。
各職場での利用をお勧めしたいと思い、当事務所の「新型コロナウイルス感染症対応マニュアル」を参考として掲載します。
職員と家族にとっても役立つものです。利用していただければ幸いです。
新型コロナウイルス感染症対応マニュアル
2021年8月
税理士法人 むさしの会計
事務所対応責任者 ■■(以下・責任者)
〔本人の場合〕
1.感染を疑わせる風邪様症状が出た場合
【以下のいずれかに該当する場合は、すぐにかかりつけ医など身近な医療機関へ相談してください】
① 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
② 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
(※)妊娠している人、高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD 等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
【上記以外の方で、発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合も、相談してください】
① 症状が4日以上続く場合は必ず相談。
② 症状が強くなったと感じる場合や、解熱剤などを飲み続けなければ症状が改善しない場合は、すぐに相談。(4日以上待たずに)
【相談窓口について】
地域によって支援体制が異なりますので、事前に確認してください。
まずはかかりつけ医など身近な医療機関に電話で相談してください。かかりつけ医をもたない場合、土日祝日や夜間など相談先に迷った場合は、各県ごとの「受診・相談センター」に電話で相談をしてください。(24時間対応ですが、できるだけ受診調整できる日中に相談しましょう。)
事前連絡なしに、直接医療機関を受診することは絶対に避けてください。
<自宅で症状が出た場合>
① 責任者(宮野不在の場合は在席職員、以下同じ)に連絡した上で、出勤せず自宅で経過をみてください。
② 医療機関を受診する場合には、必ず事前に電話で相談し、指示を受けてください。
<会社で症状が出た場合>
① 責任者に報告し、直ちに帰宅して自宅で経過をみてください。
② 医療機関を受診する場合には、必ず事前に電話で相談し、指示を受けてください。
③ 念のため、症状があった社員が接触した箇所をアルコール等で拭き取ります。
2.症状が改善するか、受診の結果出勤が可能と判断された場合
① 発熱や咳などの風邪様症状、倦怠感、息苦しさ等の症状が改善するか、医療機関を受診した結果、出勤が可能であると判断された場合には、責任者に連絡してください。
② 医者等の判断を含めて、出勤可能かどうかを判断します。発熱や咳などの風邪様症状が見られた場合、解熱後24時間以上が経過し、咳などの呼吸器症状が改善されるまでは、出勤を認めません。症状等によって、一定の自宅待機期間を設ける場合もあります。
③ 出勤再開後、1週間程度は体調管理と感染防止策の徹底に留意してください。(感染の可能性を考慮して行動してください。)
発熱や咳などの風邪様症状、倦怠感、息苦しさ等がみられたら、直ちに責任者に報告した上で帰宅し、自宅療養してください。
3.PCR検査等の検査を行った場合
① 受診した医療機関の医師が必要と判断した場合、検査が実施されます。
② 検体採取は、受診した医療機関もしくは、「PCR検査センター」等で行います。指示に従ってください。
③ 検査結果が出るまで、1~2日程度かかる場合があります。その間は他者との接触を控え、マスク着用・手指消毒を徹底してください。家庭内での飲食もできるだけ別にするようにしてください。
4.感染が確定した場合
【本人の対応】
① 診断が確定したら、保健所の指示(法的入院、就業制限等)に従うととともに、大至急責任者に連絡をしてください。責任者は所長へ連絡してください。
現時点では、指定医療機関等の医療機関で治癒するまで入院となります。ただし、軽症の場合は指定宿泊施設もしくは自宅での療養が指示され、保健所が健康観察を実施する場合があります。
② 診断が確定に至らないが、疑似症状と診断された場合は、保健所の指示に従ってください。この場合も大至急責任者に連絡をしてください。
【他の職員等への対応】
職員の感染が確定した場合は、保健所の職場調査が行われ、発症者と濃厚接触した者を決定します。
責任者は行動範囲を把握した上で、基本的に保健所の指示に従います。
5.感染により休業した場合の取り扱いについて
① 新型コロナウイルスは指定感染症であり、就業制限解除の基準(退院基準と同じ)を満たすまでは就業できません。
② 特別の休暇(有給)による休業となります(傷病給付対象の場合は無給)。
6.感染後の職場復帰の目安
① 感染の症状が見られた場合、次のいずれかを満たした後に退院となります。
・発症日後10日かつ症状軽快後72時間が経過(最短10日)
・症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ、2回のPCR検査で陰性を確認
② 感染の症状が見られなかった場合、次のいずれかを満たした後に退院となります。
・検体採取日から10日以上経過
・検体採取日から6日以上経過し、24時間以上間隔をあけ、2回のPCR検査で陰性を確認
③ 上記の退院基準を満たした場合に、法律に基づく就業制限も解除されますが、最終的な勤務再開日は、退院後の体調などを確認しながら、医者の判断を含めて決定します。
7.濃厚接触者となった場合
① 直ちに責任者に連絡するとともに、他者との接触を避けてください。自宅でわかった場合は出勤しないでください。責任者は所長へ連絡してください。
② 保健所へ連絡し、 保健所からの指示事項を責任者に伝えてください。
最終接触から、14日間の自宅待機とします。
可能な場合、在宅勤務や他の職員と接しない場所での勤務を行う場合もあります。
③ 体温測定を毎日実施し、体調とともに記録してください。
8.濃厚接触者であることが疑われる場合
【仕事や日常生活で接した人に、感染もしくは濃厚接触者の疑いがある場合や、自分が行った場所で感染者や濃厚接触者が出たことがわかった場合など】
① 確認できた状況を整理し、直ちに責任者に連絡してください。自宅でわかった場合は出勤しないでください。
② 責任者は、接触状況等を詳細に把握し、所長へ連絡してください。
③ ②の接触状況等を踏まえて一定期間自宅待機とする場合があります。また、在宅勤務や他の職員と接しない場所での勤務を行う場合もあります。
④ 体温測定を毎日実施し、体調とともに記録してください。
<補足事項>
状況によっては、直接濃厚接触者であることが疑われなくても、接触があったとして保健所がPCR検査等を行う場合があります。その場合、原則として勤務の制限はしませんが、本人と相談した上で一定期間の自宅待機や在宅勤務、他の職員と接しない場所での勤務などを行うこともできることとします。勤務に際しては、体調管理と感染防止策の徹底に留意してください。
9.その他
① 無症状の人が、感染の有無を確認する目的で、自らの意思に基づいて民間の検査機関等でPCR検査を受ける場合があります。その結果、陽性と通知された場合は、速やかに検査機関等へ連絡し、指示に従ってください。直接医療機関を受診したり、不用意に他者と接触したりすることは絶対に避けてください。以降の対応は〔本人の場合〕4.を参照してください。
② 慢性的に風邪様症状があって、かかりつけ医等で治療を受けている職員は、治療の状況を保健師にお知らせください。(喘息・アレルギー等)症状が改善しない場合は、専門医の診察を受けてください。
〔同居家族等の場合〕
1.同居家族等に濃厚接触者の疑いがある場合
① 同居家族等に濃厚接触者の疑いがあることがわかった時点で、直ちに責任者に連絡してください。
② 保健所の指導に従い、同居家族等の体調、体温を注意深く確認してください。また、接触を必要最小限にとどめてください。
③ 責任者は、感染者と同居家族等の接触状況等を詳細に把握し、所長へ連絡してください。
④ 同居家族等が濃厚接触者であるかどうか確定するまで、一定期間自宅待機とする場合があります。また、在宅勤務や他の職員と接しないような場所での勤務を設ける場合もあります。
⑤ 体温測定を毎日実施し、体調とともに記録してください。
2.同居家族等が濃厚接触者になった場合
① 同居家族等が濃厚接触者であることがわかった時点で、直ちに責任者に連絡し、保健所からの指示事項があれば伝えてください。
② 同居家族等の経過観察期間と同じ期間を自宅待機とします。また、当該同居家族等との接触を避けてください。
③ 同居家族等が保健所によるPCR検査等を受けて陰性だった場合は自宅待機を解除しますが、引き続き当該同居家族等との接触は避けてください。勤務再開に際しては、本人と相談した上で一定期間の自宅待機や在宅勤務、他の職員と接しないような場所での勤務などを行うこともできることとします。
④ 体温測定を毎日実施し、体調とともに記録してください。
3.同居家族等に感染を疑わせる症状が出た場合
① 同居家族等に発熱や咳などの風邪様症状、倦怠感、息苦しさ等が出たら、念のため責任者にその旨を伝えてください。自宅でも感染防止策の徹底に留意してください。
② 同居家族等において解熱後24時間以上が経過し、咳などの呼吸器症状が改善するか、受診の結果、感染の疑いがないと判断された場合には、責任者にその旨を伝えてください。
4.同居家族等の感染が確定した場合
同居家族等の感染が確定した場合、職員は濃厚接触者になります。
〔本人の場合〕7.を参照してください。
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「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」の感染可能期間に接触した者のうち、次の範囲に該当する者
・ 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・ 適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
・ 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・ その他: 手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。