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 5月17日午後5時17分、仕事を終えて事務所から越生駅に向かっていると、上空でプルンプルンと聞きなれない爆音がする。
 越生上空は米軍機や自衛隊機の飛行空域になっており、C130輸送機が頻繁に行きかっている。その爆音と明らかに違う爆音だ。
 もしやと思い爆音のほうを見あげると、思った通り、オスプレイだ。
 スマホで機影を撮影した。それがこの写真である。
 何度かオスプレイの爆音を耳にしているが、撮影できたのは初めてである。

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   横田基地に5機 特殊作戦に向けて訓練

 2018年10月1日、米軍は横田基地にCV22オスプレイを5機配備した。2024年までには10機配備態勢にするとしている(本ホームページ、トピックス74、2015.12.01号もお読みください)。
 このCV22オスプレイは特殊部隊の適地潜入用に用いられるもので、夜間に超低空飛行をして敵地に潜入する輸送兵器だとされている。
 そのため、「地形追随・障害物回避レーダー」を備えている。ただし、事故率が格段に高い不安定兵器でもある。
 そのオスプレイは、いうなれば忍者部隊をひそかに敵地に送り込み、要人殺害や攪乱を実行する作戦の要になる兵器である。
 その作戦遂行に向けて訓練が行われているのだが、横田基地周辺では低空飛行やホバリング、それに伴う爆音に悩まされている。
 横田基地周辺ばかりではなく、飛行ルートになっている八高線沿線に住む人々にもその被害は大きい。

   北朝鮮問題と政府の態度 その危険性

 加えて、米軍は北朝鮮に対する「斬首作戦」を用意しているとの報道がある。なんとも生々しい名前の付いた作戦であり、北朝鮮は猛烈に反発した経緯がある。
 バイデン政権になって、北朝鮮に対する戦略が見直され、つい最近「外交ルート」による北朝鮮の非核化を目指すとの報道があるものの、「斬首作戦」を取りやめるとの報道はない。
 仮に外交交渉が進まず、アメリカが力で北朝鮮に迫るとなれば、北朝鮮は米軍特殊部隊によるビランデン殺害を知っているだけに、「斬首作戦」の対抗作戦をとることになる。
 彼らが取る作戦は、特殊部隊の輸送にあたるオスプレイを叩き潰すことであり、オスプレイが配備されている基地にミサイルを撃ち込んでくることは火を見るより明らかだ。
 横田基地の存在自体が、実は最も危険なのである。
 東京都民や埼玉、群馬県民は、日々米軍や自衛隊の訓練とともにあり、ことあらば、北朝鮮の直接の攻撃対象になるのである。

 米軍は2024年に10機まで増強するとしている。とすれば、北朝鮮の目はますます横田をにらむことであろう。
 バイデン大統領は何らかの動きを見せるだろうが、日本の菅首相の動きはまったく見えない。前首相の安倍さんも同じであった。
 現に基地周辺や訓練空域化にいる日本国民は騒音被害や事故の不安に脅かされている。しかし、政権はそれに対して何かしようという動きがない。拉致問題も全く動きなし。
 コロナウイルスに対する場当たりの無策ぶりが露呈しているが、今の政権には国民が直面している諸問題を真剣に解決していこうという基本姿勢も戦略も欠落している。
 オスプレイの飛行を見て、政治の貧困を改めて実感させられた。