山田真貴子・内閣広報官は大したものだ。
菅政権の広報官は実によくわかるようにお話をする。
しかも、国民に対して「名言」を伝えて、しっかり勉強して立派な人になってほしいという慈悲の心まで持っている。
2月25日になされた山田広報官の国会におけるお言葉を、国民は肝に銘じて聞き取らなければならない。
そこで、山田広報官が伝えたかった「教え」をやさしく解説するので、広報官の「教え」を身に着けていただきたい。
■ 官僚時代に東北新社から招かれた会食の回数は……
「この1回が確認されているのみでございます」
「私自身の記憶はあいまいですけれども、東北新社の方に確認を取り、証拠なども見て1回を確認した」
<教え>
ばれちゃったわけぇ~。そん時は、ばれちゃったことだけをとりあえず認めるわけね。でもぉ、認めるにしても、マジ覚えてないけどぉって必ずいうのよ。
で、ばれちゃったことだけを自分から進んで確認したことにして、まじめさを植え付けるのよ。でもそれだけじゃダメ。何回もゴチになっているかもしれないじゃん。それ以外にも出てきたときには確認を取った相手がそん時は出さなかったじゃんといって相手のせいにし、煙に巻く準備を怠りなくするわけ。
だからぁ、相手を利用して記憶のなさのアリバイ作りをし、「証拠」なんて、ホントは「エビデンス」なんていえばもっと良かったかなぁって思うけど、証拠を確認したから1回だと言い切ることが大事なんでございますよってわけ。
■ 会食の場に首相長男がいたと把握していたか……
「(席が)横並びだった。お話もしていない。どういう方がいたか、にわかに思い出せなかった」
「お会いする方がどういった方のご子息であるかとかは、お付き合いに関係ない」
「私にとって大きな事実だったかというと、必ずしもそうではない」
<教え>
私は大物の官僚よ。昔から大物は何でも許されるのよ。知らなかった?
だからぁ、何かあったときは大物感をメッチャ出しまくるのよ。
田舎会社の社長就任祝いだってぇ?
普通は顔出さないけど、1食7万円だから是非来てくださいって拝み倒すから、ちょっと顔出してやったっていう印象を植え付けると、職務権限とか一切問題になることはないじゃん。だからぁ~、たかが首相のボンボンなんかまったく相手になんかしないわよって言いきるわけ。
あとでご子息には、わりぃー、わりぃー、あの場はそういうしかなかったって謝っときゃいいのよ。
私は大物官僚よ。下々のものがお酌に回ってきて、誰それでございますって言わない限り誰がその場にいるのかなんて我関せずってのが大物よ。
お酌に回ってきて、誰それでございますって言ったとしても、いちいち覚えていないのが大物よ。
首相のボンボンなんて小物は「大きな事実」になりえないって、この言い回し、自分でも気に入ってるんだけど、すっごく大物感出ているっしょ。
つまりぃー、カッタリーんだけど、大物はその場に誰がいたかなんてことは一切把握していないんだってことをわからせておけば、「やめろ」なんてことは自然と消えていくからよく覚えておいて。
はい、よく覚えておきます。山田真貴子・内閣広報官どの。
……あれれ、やめないって言っていたのにやめちゃったよ。
……やっぱり大物は引き際も大事にしなくちゃね。