アベノマスクが5月25日に届いた。
お上からの贈り物なので、恭しくいただいた。
ありゃ、袋の中身は二枚。
おい、二枚しか入っていないぞと嫁にいうと、「一家に二枚ということになっているのよ」との返事。うちは3人家族。こりゃ、血を見るぞ。
そこで平和な使用方法として、私は提案した。
嫁に向かって、「いつも顔をくっつけて二人で一つを使おうよ」と。
嫁、「ゲ、韓流の〇〇さまならそれも悪くないけど、あんたとなら離婚だね」
届いたのが、緊急事態宣言の解除を決定した日というのも感慨深い。
新しい生活態度を取れということなので、解除後もアベノマスクは付けなければならない。でも一人ハブられてしまう。たぶん私だが……
そんな家族が多いらしく、厚生労働省に質問が寄せられているようだ。
厚生労働省はHPで次の回答を載せている。
問2 家族の人数が多く、2枚で足りない場合はどうすれば良いですか。
小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、高等専修学校等には4月中旬から順次、布製マスクを配布し、児童生徒に配布する予定です。また、介護施設、障害者施設等の利用者向けに、介護施設、障害者施設等に対し4月上旬までに布製マスクを配布しています。
こうした方のほかに、なお不足する世帯への対応方法については、現在検討中ですが、5月中旬を目途に追加配布の申し込み受付を開始することを予定しています。
なんだ、追加申込ができるのか。ありゃ、中旬はとうに過ぎもう6月なんだけど……と思っていたら、埼玉県深谷市の公立中学校では生徒にアベノマスクをつけろと半ば強制していたというニュースも。
なるほど、厚生労働省のHPでは小学校などには特別に早く配布するとしている。特別の扱いなのだから、校長先生は絶対につけなさいとなったようだ。
そのうち、金庫で厳重に管理しなさいということに。校庭には、「奉安殿」が設置され、アベノマスク提供者アベ様の御真影が納められ、毎朝生徒は最敬礼するよう求められることになる。アリガタヤアリガタヤ………。
どう見ても、アベノマスクは「国宝」にしなければならない。
で、その国宝様を嫁の目をかすめてやってみた。
すると、どうだ。
口からは、次から次と出任せが発せられるではないか。
ウィルスの防御なんて軽い軽い。出任せ攻撃でウィルスが侵入する余裕がないばかりか、逆に出任せが家中に蔓延した。私が一言いえば、十倍が跳ね返ってくる嫁がこのアベノマスクをつけた日にゃア、家どころか近隣まで出任せで満ちるだろう。これで我が家どころか地域一帯もコロナ侵入を防げる。一安心だ。なるほど、一家に二枚で十分ということか。
アベノマスクおそるべし。すごいぞ、アベノマスク!