東日本大震災で当事務所も苦い経験を積んだ。
揺れそのものによる被害はなかったが、その後の計画停電で会計事務所としての業務は大きな影響を受けた。
なにしろ、会計事務所の業務は大半がパソコンに依存する態勢になっており、電気が来なければ、事実上その日の会計事務所としての業務はストップするからだ。
パソコンを使わない書類整理や勉強会は行えるが、基幹の業務は押せ押せで遅れることになり、様々な支障が出た。
計画停電も終わり、いまは当時のことがすっかり忘却の彼方のようになっているが、地震国の日本ではまた同じことになりかねない。
そこで、災害対策マニュアルの必要性が浮かび上がり、特に地震に対する災害発生時の対策はそれなりに確保したところである。
ところが、台風で身近に起こった越辺川の氾濫や、今回の感染症の襲来は、想定もしていない状態であった。
今のところ事務所内や関連者に感染は起きていないが、クライアントとの接触は業務上完全停止とはいかず、また、従事者には電車通勤者がおり、関係者のだれかがいつ感染してもおかしくはない環境にある。
甘い考えは禁物だ。
仮に感染者が出たとなると、事務所で勤務していたものはすべてが濃厚接触者となり、発症していなくても自宅待機となる。事務所内の消毒も行わなければならない。業務は最低2週間ストップすることになる。その後もクライアントとの接触は控えなければならない。
こうした想定を頭において、感染の未然防止からはじまり、陽性者出た場合の対策や事業継続をどのように手当てしていくかを事前に練っておく必要がある。
これはなかなか大変な作業だが、内閣府から平成25年8月に「事業継続ガイドライン -あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-」の改訂版が出されている。
このガイドラインは、感染症パンデミックも視野に置いており、これを参考に当事務所も事業継続計画(BCP)と事業継続マネジメント(BCM)を策定しなければと考えている。
コロナウィルスの終息は見えていない。みんなで知恵を出し合い、乗り切るしかない。ガンバロウ!