NHK・BSで2010年に製作されたアメリカ・イギリス合作映画「ロビン・フッド」が放映された。
また、10月18日には「フッド・ザ・ビギニング」という映画が公開されている。
いずれもロビン・フッドの話だが、実在の人物ではないらしい。日本でいえば、「鼠小僧」のようなものか。義賊という位置づけか。
それが何故繰り返し映画になったり、物語として人々の心を捉えるのかというと、イギリスのジョン王の暴政、とりわけ重い税金を無慈悲に掛けて取り立て、その税金を人民のためではなく、私欲のために湯水のごとく使う暴政に反抗して、人民が助け合って暮らしを立てる社会をつくったという物語の主人公として描かれているところにありそうだ。
ジョン王の暴政は事実である。自分は神に選ばれし者として、何をやっても許されると宣言し、約束は平気で反故にし、王に物申すものは反逆者として死刑を宣告し、税金を私物化した。
諸侯との約束事を認めた証文に火をつけて燃やしてしまうことなど朝飯前。
あれぇ?なんか既視感があるではないか。いるよね~こんな人が。現代の日本の王としてジョン王のように振る舞っている人が‥‥。
天皇の代替わり行事がこの10月から11月にかけて、たて続けに執り行われた。日本国の象徴と規定され、皇位は世襲のものとして継承すると憲法に規定されているのであるから、国事行事としての行事は税金で賄わられて然るべきであろう。
しかし、大嘗祭は天皇家の宮中祭祀であり、皇室行事である。
秋篠宮さまは、大嘗祭を税金でやるのはおかしいと述べたと報道されている。宮家の方が税金の使われ方に異議を唱えたのは初めてではないだろうか。
思わずロビンフッドを連想したが、政権がそれに対して何等反応せず、事実上無視を決め込んでいる。
ほぉ、主客転倒、逆転に次ぐ逆転、誰が何で何が誰だと、まるでロビンフッドの活劇を見ているようではないか。
しかし、面白がっている場合ではない。
消費税増税は国民にとっては圧政である。そのうえで、税金の私物化が明らかになっても書類は粉砕するは、来年はやめるとあっさりひっくり返すは、国会での説明を回避するは、間違いを平気で言うは、これが近代国家かと目をこすりたくなる事態が続いている。
そこで最後に一言、ロビンフッドは架空の人物で、熱望しても現れない。だが、われわれはロビンフッドの弓矢に匹敵する武器を持っている。それは選挙権だ。選挙権を使えば、暴政を変えることができる。国民一人一人がロビンフッドであることを肝に銘じたい。