「プチダノン」というヨーグルトのコマーシャルソングに
♪ あったま ばっかりでも か・らだばっかりでも だめよね
というのがあった。私などは名コマーシャルソングだと感心している。
最近つい口ずさむことが多い。
「ミスター慶大」に続き「ミスター東大」が性的暴行で逮捕された。
慶大とか東大といえば、一応頭はいいに違いない。
てっきり頭ばっかりで、体が伴っていないとイメージしてしまう。
ところがこの二人は下半身が発達しているらしい。
だから、頭も体もダメではないということになる。
逆に下半身がすごくて、頭を越しているようだから、この二人に当てはめるとなると、
「下半身の か・らだばっかりでも だめよね」となる。
下半身を制御する頭はなかったようだ。
「おれは78歳で病院の世話になったことは殆どない。」と、麻生太郎財務相が閣議後の会見で発言した。10月23日のことである。
体が非常に丈夫らしく、うらやましい限りだ。
ここで会見の発言をとどめておればよかったのだが、続けて「『自分で飲み倒して、運動も全然しない人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしい、やってられん』といった先輩がいた。いいこと言うなと思って聞いていた。」と発言した。
これに対し、記者が麻生氏も同じ考えかと質問したら、「生まれつきもあるので、一概にいうのは簡単な話ではない」と答えたと報道されている。
先輩の話として紹介しているが、紹介した意図は明白。
麻生氏自身、首相だった時に「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費のひと)をなんで私が払うんだ」といった過去があり、国の在り方としてと発達してきた医療制度の無知さぶりを批判され謝罪している。
麻生氏は、アルコール依存症に対して強い嫌悪感があるようだが、そんな発言をすれば批判されることは分かり切っていても、また同じことをやっている。
どうも「あったま」の出来を疑ってしまい、「か・らだ ばっかりでも だめよね」と口ずさんでしまう。
しかし、チャカしてすむ話ではないところが怖い。
麻生論法で病気を論じれば、すべてに当て嵌まりかねないから危険な考え方といってよい。
たらたらたばこを吸って肺がんになった人、たらたらビールを飲んで痛風になった人、たらたら運転していて事故を起こし足を折った人、たらたら歯磨きもせず虫歯になった人……きりがないが、すべてが自己責任で、税金や保険料でその病人の医療費を補てんしてやる必要はないということに繋がるからだ。
行き着く先は、健康な人は優良な国民であり、病人は不良な国民として排除すべき存在としかねないからだ。
税収の面でいえば、たらたらやって非正規となり所得税を納めない人、たらたら商売して所得税を納めない人……だから消費税でいただこうということか?
最近、「非国民」とか「生産性がない」とか国民を選別する言動が飛び交うようになっていて、それが政権党から出ていることに注意したい。
財務省の文書改ざんで責任も取らず、舌下を繰り返す政権党のナンバー2が何のお咎めもなく幅を利かしているということは、政権党はこれらを許容しているということになる。
麻生氏を道化役にして、憲法を改正し「非国民」や「生産性のない人」を排除できる国にする安倍政権の企てが透けて見える。
全国民は、頭も体も使って、憲法がまともに機能する国造りのために動かなければならない。