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   国税庁いわく、コンプライアンスだ! コーポレートガバナンスだ!
    
いやはや……他人に厳しく、自分に甘い、そんな感じ

 前号でブラック企業を取り上げた。
 あまりにもドンピシャのタイミングでブラック官庁=国税庁の新聞報道。
 朝日新聞の東京版に別掲の記事が載った。東京版なので読むことができなかった人も多いと思い、この欄で取り上げることとした。

 国税庁のホームページには、「国税庁レポート2013」が掲載されており、全文を読むことができる。
  その中で強調していることに「コンプライアンス」「コーポレートガバナンス」がある。
 横文字を使えばいいというものではないといいたいが、納税者に税法に従うコンプライアンス(法令順守)を求め、大企業には税金で不当なことをしないよう自ら規制するコーポレートガバナンス(企業統治)を充実するように国税庁が手を入れていく、というのだ。
 さて、国税庁にコンプライアンスとコーポレートガバナンスがあるのかというと、これはお粗末のひとことに尽きる。

  不正行為をやっている税務当局
     朝日新聞 25.9.21 東京版  (クリックで拡大)
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 超過勤務手当の未払いは、日常茶飯事。国公労連という産別組織の調査でも、そのことは明らかになっている。法令を遵守していないのだ。
 国税庁の労務政策は、不当労働行為のデパートといわれているほどだ。職制を使った組合分裂、組合所属による人事差別、特定の組合に肩入れする不当労働行為、などなど。
 これらを正していこうというコーポレートガバナンス(団体統治)の影もない。
 自分のことは棚に上げ、外に向かってよく言うよという話である。

 なぜかは組織を見ればある程度わかる。
 国税庁は徴税権力を持ち、上意下達の組織とも言われている。言わずと知れた財務キャリア官僚が支配しているので、下から意見が上がる体制がない。
 労働組合潰しによって、労使協調の第二組合を育成してきたことから、大多数を組織する組合はキャリア官僚の言うがままとなっている。

 朝日が報じた記事に全国税労働組合が追及したとある。全国税労働組合は弾圧で分裂されたが少数になっても筋を曲げずに来た組合である。6万人の国税庁にあって、わずか3百名ほどの組合だが、国税庁のなかにあってコーポレートガバナンス(団体統治)の起爆剤になる存在である。
 税務に関係する人々に全国税労働組合の存在を知っていただきたいし、何かにつけて連帯や連携をしていきたいものだ。
 ブラック官庁=国税庁を変えていくためには、納税者や税理士も当事者である。
 内外のチェック機能が働いてこそ、コーポレートガバナンスとコンプライアンスが向上するのだ。国税庁さん、分かっているのかな。