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 全国税労働組合の中央執行委員長や書記長を歴任し、国税庁当局と不屈にたたかってきた吉本貢さんが、去る3月9日、ご逝去されました。享年82歳でした。
  5月12日、「吉本貢さんを偲ぶ会」が市ヶ谷の私学会館で執り行われ、会には北海道から沖縄まで、全国から170名が参加し、吉本さんとの在りし交流の日々を偲びました。
 税務署を定年退職した後は、税理士として世田谷税経センターに籍を置き、まさに全国を駆け巡り、亡くなる直前まで現役として活躍された吉本先生であればこその「偲ぶ会」でした。
 吉本先生は、日大の教授で「北野税法学」といわれた故北野弘久氏と親交が厚く、固い絆で歩みをともにしてきました。
 理論を北野先生が、運動を吉本先生が、コインの裏表のようにはがすことのできない関係で取り組んでこられました。

      理事長として奮闘した様子を伝える
      東京税財政研究センターの会報
                (クリックすると拡大します)

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 北野先生が平成22年6月に亡くなり、この度、吉本先生が旅立たれて、名コンビが消えてしまったのは返す返すも残念なことです。

 労働組合運動の闘士であった吉本さんは、たぐいまれなオルガナイザーでした。
 税制・税務行政の民主化、納税者の権利憲章制定などの目標に向かって、全国税制懇話会や東京税財政研究センターを組織し、自ら先頭に立って奮闘しました。

 ある年齢になってからは、「後継者を育てる」という目標を設定し、若手に対して無償の愛をもって育成に当たりました。
 まるで「おふくろさん」のようでした。
 並みの凡人にできることではありません。
 若手の子供たちは、心から「おふくろさん、ありがとう」と叫びます。

 「おふくろさん」の遺言は、「税制・税務行政の民主化と、納税者の権利憲章を制定し、納税者の権利を守るためにたたかえ」です。
 おふくろの遺言は守りますよ!どうか安心して、安らかにお眠りください。
                                  合掌