zk179.jpg

   GDPの構成割合はほぼ不変

 国内総生産、GDPの構成割合を見てほしい。
 図では3つの領域を示したが、GDP算出ではこれに輸出入の差額が構成要素になっている。
 円安は輸出に有利で輸出増となるが、原料を輸入に頼る日本では、見合う原料を確保しようとすれば輸入価額も大きな支出となるので、「輸出マイナス輸入」はトントンかマイナスになる。
 例年の推移をみても輸出入はマイナス傾向にあり、かつプラスマイナスの幅は2~3%程度なので、この図では表示していない。
GDP構成図.jpg

 以上を前置きしたうえで改めて図を見ていただきたい。
 この図で示した日本のGDPの構成割合は毎年ほぼ不変である。だからこの図をしっかりと頭に焼き付けていただきたい。

   数字の裏にある真実

 さて、2023年の名目GDP総額は591兆円となり、2024年は600兆円になると見込まれている。安部が強調していた600兆円の大台である。
 なにやらアベノミクスが成功し、金額は膨らんで日本はそこそこうまくいっているのではないかと思われるかもしれない。
 しかし、国民が豊かになっているのか。答えはノー。その逆に国民の生活は追い込まれている。

 GDPの6割を占める民間消費は、物価高騰で金額が膨らんでいるに過ぎない。
 アベノミクスが引き寄せた円安で、輸入価額が上がり、物価は軒並み値上がりしている。
 食料価格の値上がりはすさまじい。電気ガスも値上げだ。
 生活して生きていくためには生活必需品を買わざるを得ない。
 そうすると、国民生活に関係なく、いやいや国民生活が苦しくなっているのに、GDPの構成要素の6割を占める部分が膨らみ、GDPは増額するというわけだ。
 政府消費も民間投資も輸入価格が上がれば膨らむ。これは日本の宿命といってよい。
 大阪万博の予算が膨らみ続け、辺野古の埋め立て費用が倍増して、GDPを押し上げているという漫画的経済指標。

   アベノミクスの総括と超克   

 安部が存命なら、アベノミクスでGDPを600兆円の大台に乗せたと見えを切るに違いないが、国民はそれに騙され続けてきた。有体に言えば日本を破壊してもなんのその、自分の実績を売ることだけにたけた詐欺師そのものの政治屋が安部である。
 自民党政権はその詐欺師を国民葬にするのだから、何をかいわんやである。
 総裁選に立候補している候補者たちで、安部政治の総括を口にしている者はいない。それどころか旧安部派を登用しようという候補者もいる。いやはや。

   やるべきことは雇用対策

 では、GDPの図を見据えながら、日本国民を豊かにするにはどうすればいいのだろうか。
 自民党政権が大企業・財界と推し進めた雇用政策を転換することが一番目にやるべきことだ。非正規雇用を禁止する法律をつくり、非正規社員を正規社員に全員を切り替える。
 そうすると、国の税金も増収し、社会保険料も増収する。財政は改善し、将来的な社会保障政策も安定する。
 それが進めずらいというのであれば、最賃法をもって、時給3000円とすることだ。
 非正規でも一日8時間で20日働けば、月48万円になる。それなら正規社員として雇用しようとなるだろう。
 中小零細企業の雇用確保が困難であれば、そこには財政から補助する。
 あまねく支給しようというベーシックインカム(普遍的給付)で財政出動するより、余程有効な財政出動となるはずだ。

   やるべきことは消費税廃止

 もう一つは、消費税を廃止することだ。消費税ほどアホな税金はない。この税金が民間消費を圧迫している。廃止すれば国民の実質消費は上向く。
 早急にこの二つの政策を行うことによって、民間消費は国民の豊かさを伴って増大する。
 民間消費が増大するということは、企業の儲けにつながる。民間消費の需要高に見合って生産を増加させるのは経済原則である。企業にとってもよい循環となる。
 そうすると、国の税金も増収し、社会保険料も増収する。財政は改善し、将来的な社会保障政策も安定する。

   やるべきことは政権交代
 

 自分と取り巻きの利益しか頭になく、日本の国民全体をいかに豊かにするのかについて何の考えもない政治屋や政党に政治を任せると、国民は不幸になるばかりだ。
 ここらで転換しないと本当にまずい。幸い、われらは選挙権を使って変えることができるではないか。変えなければだめだ。