江戸時代の年貢率 「五公五民」
「五公五民」は江戸時代より年貢の割合を表す言葉の一つとして使われた年貢率。
収穫の五割を年貢として官に収め、残りの五割を農民(商人には年貢はない)のものとする年貢率を表す言葉として使われる。
財政経済資料によると、“享保十巳年・百姓共難渋申立候に付、同十三年申年・五公五民之積伺相済・・・ 五分々之取法に候事” とある。
享保年間(1716~1736)は四公六民であった。
徳川家康は「百姓共をば、死なぬ様に・生きぬ様にと合点致し収納申付る様」といったと伝えられる。(大道寺友山著「落穂集」)
五公五民では農民の生活はかなり苦しく、『豊年税書』によると、田畑1町(約1ヘクタール)を耕すも、家族5人の場合、四公六民でも1石5斗の不足となり、三公六民でかろうじて生活が成り立つと言われている。
よって、重税に苦しむ農民は、隠田(隠れ耕作)や逃散(逃げ出す)、さらには年貢減免を要求しる一揆を起こすこともあった。
日本の負担率 「47.5公52.5民」 ・・・ 嘆き声
財務省は今年の2月21日、2022年度。国民負担率<税と社会保障の国民負担率>が47.5%になる見込みと発表した。(“収入の半分が国家に没収されている”という計算。)
特に社会保険料の負担は所得税負担をはるかに超えている。
消費税の増収は急激に伸びているが、消費税は社会保障の代替として導入したにも関わらず、消費税負担と社会保障費負担がこの30年間、国民負担を圧迫し続けている。
あまりの負担が重いことから、「江戸時代の五公五民」と同じだ。との声が飛び交っている。
右図のグラフを見てみよう。 消費税は、10月から導入されたインボイス制度で更なる増収が見込まれる。 |
「税収増を還元」 より 所得税・社会保険料の減税を
この春、新たに就職した社会人の給与明細書 ― 給与月収は約20万円、源泉所得税は2,000円弱。 一方、社会保険料は30,000円を超えている。
社会保障の財源は消費税ではなかったのか ? 消費税は、何に使われているのか ?
「税収増を還元」 首相・所信表明 ?
岸田首相は臨時国会で所信表明を行い、税収増の一部を「公正かつ適正に還元」するとして、所得税の一時的な減税-定額減税-を発表した。
納める税額に対し、一定額を差し引く「定額減税」が軸で、期間は1年のみが軸だ。
定額減税は、過去にも行ったことがあるが、この年末には間に合わない。
場当たり的な減税を叫ぶのはかえって国民の不信を招くことになる。 そもそも所得税率は最高70%の時代もあったが、今の45%に引き下げたのは誰だったのか ?
法人税率も下表のような推移をたどっている。(グラフをクリックで拡大)
金持ち・大企業減税は何度となくたどってきたが、庶民減税は ・・・ ? である。