どうする.日銀 ➤ 「負の遺産」・「10年の宴」 後始末
経済政策の役割は何か? “均衡回復”と“弱者救済”です。 とエコノミストの浜矩子氏は言う。
“均衡”が崩れて不況や物価高になると弱者が苦しめられる。だから均衡回復は「弱者救済」のためにある。
安倍政権の経済政策を「アホノミクス」と名付けたのも謎解きからだと言う。
安倍政権は当時、「私の外交安全保障政策は、アベノミクス(安倍政権の経済政策)と表裏一体」と、戦前回帰の富国強兵路線と経済政策の一体化を推し進めた。
経済政策では、株高と円安の実現。企業が一番活躍しやすい日本にするなど、本来の経済政策とはかけ離れたことを推進した。
日銀の黒田総裁もこれに追随したが、 「異次元の金融緩和で物価を上昇させて経済の好循環を目指す実験は失敗し」「日銀が国債を大量に買い支える“財政ファイナンス”で政府の借金拡大に陥る」など『負の遺産』=“国民へのツケ”を残して退陣した。・・・反省もなく ‼
真に安倍首相・黒田総裁の10年は国を破壊し、国民を破壊する時代であった。
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世界と比べた日本 ➤ 幸福度ランキング・世界62位
日本の国内総生産(GDP)は「世界第3位」<2021版>(1位アメリカ、2位中国・・・断トツの1位、2位)と言われるが、GDPは一定期間に国内で生み出された付加価値の合計であり、生み出された付加価値は分配されて所得となる。
国民の平均的な豊かさを表す「1人当たりGDP」は「世界33位」<2021版>だ。
日本の「幸福度ランキング」は「世界62位」だ。
なぜ日本はGDP世界第3位なのに、1人当りGDP 幸福度ランキングは先進国の中で低い・最低なのか?
1人当たりGDPは、全体のGDPを人口で割るので、人口の大きい国は順位が下がるが、アメリカは9位、オランダ17位と健闘している。 韓国36位、台湾38位と健闘している。
世界のランキングでも1位フィンランド、2位デンマーク、3位スイス・・・11位カナダ、13位イギリス、18位アメリカ ・・・ 日本の下では73位ロシアが位置する。
日本の1人当たりGDPは33位と非常に低い。給与も低く教育費や失業手当もGDP比で先進国の半分である。
失われた30年、アベノミクスで破壊された10年。 日本はほとんどGDPが伸びていない。(他の先進国はそれなりに成長している。 明らかに経済政策の失敗である。
政治家の誤診<誤った判断> ➤ 経済低迷の原因
医師に誤診や過誤は許されない! 誤診や過誤は患者の生命や人生を左右しかねない。 医師は最大限の注意を払って患者を診る。
政治家は ?
安倍晋三政権の誤診は、日銀の「異次元金融緩和」という異常な治療法に10年間も翻弄された。
経済は回復せず、多くの国民が賃金の低迷や物価の高騰に苦しみ、日銀は緩和の「出口」を見失ってしまった。
政治家は「デフレ論議」に没頭したが、誤診・過誤を認めず、経済を立て直す政治家の責任を放棄し、日銀に転化した。 日銀も政治家に迎合し、未だ「負の遺産」を認めようとしない。
そして今、安全保障の行方を口実に、増税一色「国民全体で負担を!」「幅広い税目による負担が必要」「財政出動による経済成長」と財源の裏付けもない積極財政を推し進めようとしている。
世界最悪水準の財政状況には目をつぶり、財政拡大にひた走る岸田政権。
異次元の金融緩和を推し進めたアホノミクスは、財政規律を失わせた10年であったが、財政の健全化、経済の健全化・・・国民生活を豊かにする経済とはほど遠い政治の誤診、10年の宴がいまも続いている。