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  「1億・総株主」.言うが、 「投資する貯蓄ない」.34%

 2025年度には、筆者ら団塊世代全員が75歳に達する。
 総務省の家計調査によると2020年、2人以上の現役世帯の貯蓄額の平均は1,378万円で過去最多。10年前と比べて10%(134万円)増加している。
 「えエ! そんなに貯金しているの?」と見えるが、中身をみると実態は変わって見える。 この額に届いていない世帯が3分の2を占めており、富裕層の貯蓄額が平均額を大きく押し上げている。貯蓄額が100万円に満たない世帯は全体の11%にも上る。

 なぜ、ここまで日本人は貯蓄に精を出すのだろう? 金融広報中央委員会の調査(2020年)によると 『老後の生活資金』70% 『病気・不時の災害への備え』60% 『こども教育資金』30% と将来への不安が貯蓄へと走らせている。 
 このうち最も伸びているのが『老後の生活資金』だ。 2000年の55%から15ポイントも増加している。 ・・・ 年金をはじめ日本の社会保障・生活保障・子育て保障がいかに劣悪か! ということを表している。

 安倍政権からつづく“アベノミクス”。 金融緩和で株高は進み、大企業の収益は大きく改善した。しかし、成長の果実が庶民に滴り落ちる「トリクルダウン」は起きず、多くの庶民はその恩恵に預かれていない。

 団塊の世代は、高度経済成長から働くだけ働き、気が付いたら何の将来保障にも預かれなかった。

 岸田政権初の「骨太の方針」が示されたが、軍事色をより濃く鮮明にしているが、社会保障改悪の方針はアベノミクスの継承であり、最悪の方針だ。

 岸田政権が示した「新しい資本主義」実行計画案では ・・・ 「成長しない日本の経済政策」 「国民生活より軍事優先の経済政策」を示し、実行計画案では、「アベノミクス」「3本の矢」を堅持。 “眠り続けてきた千兆円単位の預貯金をたたき起こす」と豪語、“1億総株主”を推進しようとしている。国民生活の実態からかけ離れた暴論である。

 JNNの世論調査をみても国民生活の実態と大きな隔たりがある。 「投資に回す貯蓄がない」34% 「投資に回そうとは思わない」40% で、「投資に回そうと思う」はわずか23%であった。

  軍事費 GDP「2%」  示されない「根拠」と「財源」

 軍事費をGDP比2%に倍増するためには6兆円。消費税にして税率3%の財源が必要だ<消費税は社会保障の財源として・・・が消費税導入の原理だ>。 軍事費調達を目的とした国債発行は法律で認められない。 この巨額の財源をどこから調達するのか? 何ら明らかにしないまま「軍事費」・GDP2%が独り歩きしている。 あまりにも無責任な政治である。 安倍政権(アベノミクス)でこの9年間、経済成長と国民生活が疲弊してしまったことへの検証は皆無である。

 安倍政権が発足した2012年(10年前)に比し、株価は2.7倍。 国民の実質賃金指数はマイナス。国債(国民の借金)は300兆円増え、今や1,000兆円を超えている。
 その安倍氏が政権の黒幕として自公政権を今だ牛耳っている。・・・いい加減にしろ! である。

 財政再建派の一人は、「政権与党として、アベノミクスのプロパガンダではなく、失われた30年を真摯に振り返る責任がある。日本経済の余命はあと何年か! 早く持続可能な形にしないと世界から見放される」と語る。 

 今や、“日本沈没”の危機である。

  見えない成長戦略 - 「貯蓄から投資へ」 ・ 国民は拒否

 岸田首相は、新しい資本主義の実行計画の中で、「貯蓄から投資へのシフトを大胆に進め、投資による資産倍増計画を実現する」と述べているが、もう一つの目玉であった「金融所得課税」の旗は降ろしてしまった。
 この二つの政策は相矛盾する政策であるにも関わらず、平気でアドバルーンを上げていた。

 「眠りつづけてきた1千兆円単位の預貯金をたたき起こす!」というが、国民からは、“たたき起こされてたまるか!”である。
 ・老後の所得保障(掛金さえ回収できず、減らし続けられる年金)67.1%  ・老人医療や介護費用(自己負担のさらなる増)50.1%  ・医療保険、医療供給体制の脆弱(コロナでも脆弱さが露呈―掛かりたくても掛かれない医療)37.4%  ・子ども・子育て費用(保育・学費・給食費等のさらなる自己負担増)29.4%  ・健康保持・推進費用(自己責任で・・・)13.7%  ・障害者福祉費用7.7%  失業・生活費用18.4% ・・・ 
 厚生労働省が公表した「社会保障に関する意識調査」である。 日本の社会保障制度の脆弱さと国民の自己防衛意識が如実に表れている。

 格差と貧困が蔓延した日本社会を、
 ・国民の暮らしを応援し、社会保障を充実させ、全ての国民が安心して生活できる経済政策によって経済を健全な成長へと導き、税収を確保する。
 ・富裕層や大企業(最高益と最高の内部留保を溜め込み)に応分の負担を求め、「戦争する国」ではなく、「国民のための(格差と貧困ない)国」づくりの政治・経済システムを構築することが国家の責務である。

 自民党・茂木幹事長の暴言
 “消費税減税言うなら、社会保障カット” “軍事費は5年以内に倍増させる”
 国民の気持ち理解できない政治家こそ “カット”である。

 政治は、格差是正、国民生活向上の原点に戻れ !!