日本の中小企業は多すぎる ? |
この中小企業と労働者を使い捨てにし、真の成長戦略を蔑ろにしてきた日本の大企業の悪循環に目を瞑り、アトキンソン氏は、「小さい企業は経営者の質が低いため、生産性が低く、高い賃金が払えなかったり、成長もできない企業が少なくない。こうした企業が増えてしまう結果、国全体の生産性が低迷する」「無駄にたくさんの人を雇うので、現在のような労働生産性の向上が求められる時代では、小規模事業者は邪魔な存在でしかない」と切り捨てている。
ならば、下請け単価を大幅に引上げ、非正規労働者をすべて正規労働者に切り換えたうえで、日本の経済成長戦略をどうすべきかを議論していただきたい。
邪魔なものは“淘汰する”では人は要らなくなる。
上表グラフで分かるように、日本の中小企業は世界的にみても少なくない。
また、法人税の実質負担は大企業よりはるかに負担している。
生産性の定義は、人口1人当たりの国内総生産(GDP)だ。分子がGDPなので現時・経済成長しない日本では生産性が上がらないのは当然だ。経済成長を生産性からのみ論じるのは誤りであり、政治と密着した議論をすべきである。
アメリカ、日本の株価を見ても、カネ余り・政治的株高がつづいている。
年31兆円 個人消費下押し
11月6日公表した経済財政白書は、新型コロナウィルス感染拡大により2020年4月~6月期の個人消費が、家計の所得や資産から推計される消費水準に比べ、年率換算で約31兆円下振れしたと分析した。
2009年のリーマン・ショック時約5.5兆円、2011年の東日本大震災時約6.5兆円の5~6倍に相当し、コロナ危機が日本経済にもたらした打撃の大きさを物語っている。
消費行動の特徴として、自動車など贅沢品への支出を抑え、生活必需品などの基礎的支出を増加させる傾向がみられると分析している。
白書はまた、個人消費を中心とした内需の低迷でデフレが誘発され、設備投資が下振れする恐れがあると警鐘を鳴らしている。
非正規労働者は大幅に減少し、労働市場から退出させられている。
人件費抑制によるデフレ圧力は、低賃金かつ不安定な働き方を強いられている非正規労働者にシワ寄せがきている。
「ご飯論法」 知見に背を向ければ方向誤る
かつて、「朝ご飯を食べたか」の質問に『ご飯(コメ)は食べていない』 との国会答弁があった。 実は“パン”を食べてきたのだ。 ・・・ “ご飯論法”と揶揄された国会答弁だ。
菅首相が就任して初めての所信表明演説が10月26日行われた。 衆院選での信任を経ずして、自民党内での権力闘争で首相就任から41日目、1ヶ月半近く経ってのことだ。
この日、国会前では日本学術会議が推薦した6人の学者を首相が任命しなかった問題に抗議する人が集まっていたが、首相はこの問題に触れることはなかった。
あれだけ多くの人が異論を表明しているのに首相の意固地さが表れている。
菅首相にはいろいろな問題を的確に捉えることは不可能だろう!
日本社会が培ってきた知見に背を向ければ、間違った方向に国民を向けさせてしまう。 日本人は戦前、その方向に導かされた苦き経験を持っている。
「総合的、俯瞰的・・・」理解できない。
分科会が「GoToトラベルの規制で出発地も加えるべきでは」との発信している問題を記者に問われ「飲食店への規制」の問題を答え、GoToトラベルの規制への回答は一言も発しない。
それでいて、分科会が判断していると、あるごとに答えている。
「桜を見る会」の答弁も同様だ。 官房長官が安倍首相の代弁をしていた責任など感じていない。
自らが最高指揮者だとの自覚は微塵もない。
「国民の生命と健康を守る・・・」 しらじらしい空論に聞こえる。