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  銀行カードローンで自己破産続出

  銀行のホームページからカードローンの申込ができる。
 氏名・住所・勤務先・収入・他の借金の有無などを記入して送信。 審査結果は1時間ほどで伝えられる。 限度額は300万円。 金利は7.6%(三大銀行の最高金利は14%台とサラ金並/三菱東京JFJ銀行14.6%、三井住友銀行14.5%、みずほ銀行14%)。 免許証を持って銀行のATM(現金自動受払機)コーナーへ行けば現金が払出される。
 誰とも会うこともなく、誰との会話することなく現金が入手できる。
 「30分審査」 「カード即日発行」とのうたい文句で宣伝している。

   気軽さのその先に・・・・・
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 なぜ銀行が簡単に大金を貸してくれるのか?  背景にあるのが「保証業務」という仕組みだ。
多くの銀行が「保証人不要」としつつも、“保証会社の保証を受けること”を利用条件としている。この「保証会社」が消費者金融会社(元々はサラ金会社)などの貸金業者だ。

 メガバンクの銀行カードローンでは、三菱東京UFJ銀行が「アコム」、三井住友銀行が「プロミス」みずほ銀行が「オリエントコーポレーション」をグループ内に「保証会社」として抱える。
 地方銀行も多くは消費者金融会社の保証が付く。

 銀行が保証料を消費者金融会社へ支払、お金を借りた人が返済に行き詰まると消費者金融会社が返済を肩代わりする。 ノウハウのある消費者金融会社の「保証」があるので銀行は安心して無担保・無保証人、審査も簡単(通常の借入は、年収の1/3を超えて借りることはできない「総量規制」)で過度のお金を貸し付ける。

 銀行の名を隠れ蓑にした、銀行のサラ金業務だ。 最後は消費者金融会社に取り立てを任せ、銀行は陰に隠れている。

   銀行収入源の稼ぎ頭  カードローン

 「点数を稼げるのはカードローンだけだ。頑張って新規契約を獲得せよ!」
 「貸付先の会社の従業員も対象だ! 社長を説得して従業員からカードローン契約を獲得せよ」
 多くの銀行がカードローンの契約獲得を至上課題として支店や行員の評価対象としている。カードローンの契約獲得目標が事実上の「ノルマ」となって営業活動を行っているのが銀行現場の実情だ。いまや、消費者金融を上回る規模で銀行カードローンが増加し、過剰な貸し付けにつながっている。

 超低金利時代、銀行は低金利で資金を調達(我々の普通預金金利は0.001%)でき、それを高金利(最高金利は14%台)で個人に貸し出すカードローンは簡単に暴利(調達と貸付との利ザヤは14,600倍)を生み出す宝の手箱である。

 銀行は、貸金業法の対象外で、銀行カードローンの貸付残高はこの4年間で1.6倍に急増。
2016年末では約5.4兆円。消費者金融などの貸金業者4.0兆円を大きく上回った。

   自己破産13年ぶり増加 銀行カードローンが急増の背景

 個人による自己破産の申立件数が昨年13年ぶりに前年を上回った。多重債務問題で消費者金融への規制が強化されて減少が続いていたが、最近は規制対象外の銀行カードローンが急増した。
 自己破産の増加の背景は、銀行カードローンの拡大がある。
 2016年の個人の自己破産の申立件数は、前年対比1.2%増の6万4637件、2003年の約24万件をピーク(消費者金融への規制強化施行前)に減り続けていたが13年ぶりに増加した。

 自己破産の減少は、消費者金融への規制強化が施行されたからだ。多重債務問題を受け改正貸金法が2006年に成立。2010年に施行された。
 利息制限法の上限を超える、いわゆる「グレーゾーン」金利が撤廃され、年収の3分の1を超える貸し出しは原則禁止(総量規制)された。

 自己破産が増加した背景として、銀行の無担保カードローンの過剰融資が指摘されている。

   転落の始まり 銀行カードローンで狂った人生

 ある会社員は、家族の医療費支払のために安易に銀行カードローンで10万円を利用した。審査は驚くほど簡単に通った。収入証明書も不要であった。
 毎月の医療費支払いは止まることがなく、借入額はキャンペーンなどの誘い文句で増え続け、借入額は1年間で200万円を超えた。(生活に苦しい人が食い物にされる。年収の数倍も融資するなど返済能力を無視した過剰な貸付が横行している。)
 返済のため他の銀行のカードローンにも手を出した。他の銀行も審査は簡単に通った。
 手軽に借入できる便利さだけが身についた。

 給与の手取高は月20万円ほど、毎月の返済額は10万円を超え、医療費や家賃、公共料金を支払うと毎月の生活費は数万円、彼女とのデート代も出ず別れた。・・・行き詰って自己破産を申請した。結果、職場も退職した。

 「最初に借りたときはありがたいと思った。でも、抜け出すのは難しかった。本当に馬鹿なことをした。」と・・・

 カードローンを利用する理由は、「生活費不足」(38.1%)が圧倒的理由で、ついで「冠婚葬祭費」(6.5%)、「医療費」(5.6%)、「住宅ローン支払」(4.1%)(金融庁「貸金業利用者に関する調査・研究」)と圧倒的に生活苦からカードローンに手を出したことが伺える。 生活苦に追い込まれた人を銀行が食い物にしている実態が浮き彫りになっている。

“安易に借りて、後戻りできない人が増えている”

 野放しにされている銀行カードローンに社会の厳しい目が必要だ。