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  業界の6割が「雨もよう」

 7月に始まった日本近海のサンマ魚が不振にあえいでいる。卸値は昨年の2倍近く、小売値も跳ね上がっている。庶民の魚、特に安価で「秋の味覚」の代表格として親しまれているサンマ。猛暑の今年、野菜の不作も続く中、庶民の食卓から庶民の食材は遠のいてしまいそうである。

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 民間信用調査会社の帝国データバンクが25日発表した調査報告「主要業界50分野の2010年度天気予測」は、全体の6割に当たる30分野で「雨もよう」という結果が出た。
 同調査は、主要44業界50分野の景況感を「快晴」から「雷雨」までの7段階で判断する。「雨もよう」は下位3段階の「小雨」「雨」「雷雨」である。
 「雷雨」は建設、人材派遣、居酒屋チェーンの3分野。「雨」は鉄鋼、リースなどの13分野。「小雨」は不動産、百貨店などの14分野である。
 国内経済は、内外需ともに「アジア頼み」になりつつあるが、円も1ドル84円台と15年ぶりの円高ドル安水準になった。
 今回の円高ドル安は、2008年9月のリーマン・ショックに始まるといわれるが、その元凶であったアメリカは、自国の景気を回復させるため、財政出動とともに国家輸出戦略をとり、輸出を拡大することでアメリカ企業の売上高や利益を膨らませるドル安政策を採っている。
 EUヨーロッパでも主要国は輸出頼みの景気回復を模索し、ユーロ安を放置している。
 中国やアジア新興国経済成長の恩恵を受けて景気を維持してきた日本であるが、政府、日銀の無策と、政治権力闘争に明け暮れて、国民生活を省みなければ、ますます景気は悪化し、中小企業の経営とわたしたちの生活は疲弊してしまわないか心配である。

  デフレの原因  賃金の下落

 アメリカ、EUヨーロッパは、自国の経済が日本型デフレに陥ることを極度に警戒している。
 物価が恒常的に下落する「デフレ」。その原因は「賃金の下落」にある。――― というコラムが富士通総研のホームページに掲載された。
 「アメリカは日本のようなデフレにならない。」と題したこのコラムは、日本は先進国と違い、賃金の下落が続き、「消費購買力を失った」ことが要因と指摘している。
 さらに、日本の賃金下落は「賃上げか雇用の維持かの選択的思考」「企業単位の労働組合と組織率の低さ」「全国一律最低賃金制のなさ」などをあげている。
 日本企業は自社の利潤確保のため「コスト削減」を御旗とし、労働組合は「自社企業の安定と正規労働者の雇用確保」を最優先とし、(労使が一体となって)賃金の安い非正規労働者を大量に採用、下請け外注化と単価切り下げで企業の利益と正規労働者の安定のみを守ってきたことにある。そして、止まることのない強者と弱者、貧富の格差が生じたものではないだろうか。